寺山修司と地方競馬

寺山修司の一番愛したミオソチスという
美しい牝馬が、地方へと行く事になった時、
「草競馬へと流れて行く…」と書いた記事に
反論の手紙を送った地方の騎手と交流が始まり、
後に調教師となったその方に…持ち馬を預ける程、
深い親交を結んだそうです。

先日、その寺山修司が地方競馬を題材にした
詩が書かれたポスターを見つけました。
馬の事を心から想い、愛している方達に
知って貰えれば…と思います。

わが谷は緑なりき
寺山修司

時には思い出してみても
いいのではなかろうか

都会の片隅のアパートの壁に貼られた
一枚の草原の写真のことを

時には思い出してみても
いいのではなかろうか

人が故郷に帰りたくなるように
馬もまた望郷の思いに馳られることを

時には思い出してみても
いいのではなかろうか

都会の雑踏から遠くはなれて
馬たちが生き生きと走るすがたを

地方競馬は、故郷の競馬
そこには生きる馬と人の原点がある

人目はあたらなくとも陽はあたる
わたしたちが何度でも

帰ってゆくことのできる
人生の憩いの場所だ