8件のひとこと日記があります。
2019/08/10 17:16
シャルさんと父アローの想い出〔5〕
アローが、日本でリーディングサイヤーを争うほどの種牡馬になっていた頃、
一度北海道静内の牧場へ会いに行ったことがある。
アローはその時17歳。
種牡馬としての戦いでは、競走馬時代1回しか勝てなかったタニノムーティエを
完全に凌駕していた。
今日ようやく会うことが出来たアローハマキヨは、
父が種牡馬として全盛期を迎えていた頃の産駒で、当時4歳だったことになる。
そうか、あの時既に走っていたのか・・・
アローハマキヨとこうして会うことによって
私の中学生時代からの「恩人」である父アローエクスプレスの存在を、
再び強く思い出させてもらった。
競馬の楽しみ方は色々あって良いと思っている。
しかし、サラブレットは血の繋がりであり、
そこに様々なロマンが生まれ、文化として発展していくのではないか。
自分の人生に投影することもあるだろう。
そこに競馬の奥の深さがあり、それが大きな魅力、私はいつもそう考えている。
競馬がそのような存在である限り、私は生涯競馬ファンであり続けるだろう。
アローハマキヨは、今シャルロットと呼ばれている。
オーナーさんや牧場の皆さんの深い愛情に包まれながら、
幸せな余生を送っていることが、私にとってはこの上なく嬉しい。
ハマキヨが元気でいることそのことが、
私にとって父アローエクスプレスが、今でも生きているように感じさせてくれる。
「長生きしろよな…」
相変わらず黙々と草を食み続ける目の前のシャルロットと、
その向こうからこちらを見つめている父アローエクスプレスに、
私はそう語り掛けて、彼らに背を向けた。
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以上です。長文にて大変失礼致しました。
読んで頂いた方、誠にありがとうございました。
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モスコミュールさん
臨場感溢れるコラム一気に拝読させていただきました。
掲載してくださりありがとうございました。
簡単な言葉では言い表せない感想です…
今はただシャルさんとシャルママさんとの絆が、
過酷なレースを戦う競走馬の引退後の福祉について関心を持つ人が増え、
沢山の競走馬が幸せになれる道が開かれ、支えられることを願っています… -
モスコミュールさんがいいね!と言っています。
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素晴らしいコラムに感動しております。
そして優しい方々に包まれて長寿を全うできたシャルさんのご冥福を心よりお祈り致します。 -
ディープがいちばん☆さんがいいね!と言っています。
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↓偉そうにすみません。
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今日初めて知ったアローハマキヨという馬。
馬の数だけドラマがあって、そのひとつがこのコラムなんですね。
ここにたどり着けてよかったです。
すごく良い作品でした。 -
(株)こな&バチ男さんがいいね!と言っています。
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緑野さん
シャルさんのお父さんが、アローエクスプレスで本当に良かった!と思います。
うま好き爺さんのアロー父さんに寄せる想いの深さが無ければ…シャルさんとの逢瀬も単なる訪問記で終わったかも知れません。まるで自分が体験したかのように、郷愁のようなものを感じさせてくれました。本当に有難うございました。心から感謝致します。 -
緑野さんがいいね!と言っています。