ホクトヘリオス

初めて追いかけた馬がホクトヘリオスで、次に追いかけた馬がホワイトストーンでした…
と言うと、
゛あぁ、そんな青臭い奴いたよな…゛
って感じでせうか？

いや違うんですよ。
初めて取った馬券がサッカーボーイとヘリオスのマイルCSで、初めて取ったダービーがホワイトストーンの複勝だったというだけで、別に芦毛が好きなわけでもホで始まる名前が好きなわけでも人気先行の善戦マン連敗馬が好きなわけでもないんです。

゛じゃあそもそも何でそんな馬券を買ったんだ？゛

…… はい。そんな青臭い奴でした。


ま、そんな青臭い貧乏ダメ学生が馬券上手なはずもなく、例の東京新聞杯は、当時所属していた野球サークルのイベントで買いに行けなかったのでした。（ちなみにホワイトストーンのAJCも急な来客で買いに行けず…）
帰ってから中央競馬ダイジェストでレース観戦。初めてホクトヘリオスの負けを願いながら…
ゴール２秒前まで完全に安心しきっておりました。
゛先頭は完全にリンドホシ！゛

そして……


ゴール後、たっぶり1分30秒の間、両目と口は大きく開いたまま微動だもできずに頭の中ではワンフレーズだけが回っていたのでした。
゛外からホクトヘリオス！゛

競馬には、野球なんかの比ではない秒殺の大どんでん返しがあるということを思い知らされた瞬間でありました。


あれから30年近くが過ぎヘリオスのことを思いだすのも、視界の外から突然飛び込んできた虫に、
゛何だ、お前！ホクトヘリオスか!！゛
よくわからない１人突っ込みをする時ぐらい。
人生に゛秒殺の〜゛はないことも身に染みて理解る年齢になりました。が、社会の底辺を彷徨いながら未だに信じているのです。
不器用でも一徹一貫して自分のレースを続けていれば、いつかは人生の大逆転劇を起こせるのだと。