JC、凱旋門賞、菊花賞U+FFFD ある馬の掲示

JC、凱旋門賞、菊花賞 第一回

ある馬の掲示板で凱旋門賞を優勝することは
欧州競馬に対する日本競馬の評価が上がる。
そのため、強い馬は積極的に海外遠征に行くべきだ。
という話題が出ていた。
そして、もう一つ面白い話も出ていた。
「日本競馬の評価が上がれば、JCにも強い欧州馬が来てくれる」
というものだ。
これに関して可能性はあるのかどうかだが、正直言って可能性は
低いと思われる。
理由としては単純に日本の馬産業への参入する魅力がないからだ。
えっ？JCに参戦するのと馬産業に参入なんて関係ないよねって
突っ込みたくなりますが、ひとまずはお待ちください。
まずは順を追って説明していきましょう。
現在、日本のサラブレッド生産頭数は7000頭程度。
世界的基準で言えば、この数字は競馬先進国の中では多い方で
あり、むしろ魅力的に見える。
しかし、実は日本競馬は地理的な問題、現在国内で活躍する
種馬達などの関係で魅力は薄いと思われる。
今、欧州馬で一流と呼ばれる馬達の馬主はクールモアだ。
クールモアは種馬産業が重要な収入源であり、強い馬は
大体三歳で引退させている。
では、何故、その大馬主クールモアは三歳馬を引退前にJCに参戦させないのか？
答えは簡単。それこそ、日本の馬産業に参入するメリット
が乏しいからだ。
他の産業で例えてみよう。中国やタイなどといった国に外国の企業が
工場などを建て、参入するのは何故だろうか。
これは人件費が安い、土地が広大であり、地価が安いなど
の理由がある。そして、何よりライバルが少なく、マーケットとして
大きいことがある。
クールモアはアイルランド以外にオーストラリア、アメリカ
などに拠点を持つ。これは物凄く馬産業の観点から効率的だ。
土地が広大であり、地価が安い。そして、馬の生産頭数も世界トップ
レベル。一方で日本はどうだろうか。
日本は土地が狭く、人件費などを含め高く、その割りには現在では
生産頭数も減少傾向だ。
そして、最も参入しにくい理由としてはサンデーサイレンスの存在だ。
正確にはSS系統と言うべきか。
SSは日本競馬のレベルを飛躍的に上昇させたのと同時に、
社台グループをあまりに巨大なものにしてしまった。
その上、SS系統は他の国から輸入した馬達をはねのけ、下手な
外国種馬を付けるよりリスクが少ない状況を作り、ますます、
社台王国を磐石な物にしてしまった。
皆さんならこのように土地や人件費の問題や巨大なライバルがいる所にリスクを
犯してまで参入しようと考えるだろうか？
一番最初に書いた通り、ある馬の掲示板で凱旋門賞を勝つことは
種馬としての価値を上げる。その通りだ。
では、何故、種馬の価値を上げる必要があるのか。
それは馬産業において、種馬事業が最も金になるからである。
そして、そのレース選択には意味があるに決まっている。
日本競馬の価値が上がったからといって、自分達の事業が参入して
いない地域にわざわざ参戦するメリットなどない。
もし、参戦するならば、日本に拠点を持つドバイ勢か物好きな
王様、日本に高い値段で種馬を売りたい一部の馬主だろう。
イヤイヤ。香港には欧州馬参戦してるじゃないか。
……確かに。では何故、香港にはある程度の馬が参戦するのか？
次回の日記ではその辺りを考察したい。