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2011/10/07 10:33
風の王の末裔たち
小学生の頃に読書感想文提出の為に読んだ
『名馬風の王』
を今更ながら引っ張り出して読んでみた。
三大始祖の1頭、ゴドルフィン・バルブの事跡を
マーゲライト・ヘンリーが虚実織り交ぜて書き上げた
児童文学の傑作であるが、分別を弁えて然るべき年齢の大人が
読み返してみても、読書する喜び、感動、楽しさを十分味わうことができる。
人間と馬という異なる種の交流を
唖の少年アクバと、後にゴドルフィン・バルブと呼称されるようになる
子馬シャムとの間の友情を通して、細やかな心情描写とともに描かれている。
残念ながらシャムの孫、マッチェムを根幹とする父系は微大振るわず
衰退の一途を辿っているが、
母系も含めたサラブレットの血のプールに及ぼしている影響力は
3大始祖の中でも図抜けたものとなっている。
この秋、日本で走るたくさんのサラブレットたちの中にも
シャムの血が脈々と受け継がれている、風の王の末裔達が今週も疾走する。