父親に連れられて初めて行った府中の競馬場で観たのがメジロアサマの勝った秋の天皇賞。この葦毛馬が好きになり競馬ファンの世界に入りました。アサマは４５０キロ前後の馬格で本来マイラーとしてすごい決め手を持っていた馬ですが、非常に頭が良くどのようにでも折り合いがついたので長距離もなんなくこなすことが出来て、いまでも近代競馬の理想だと思っています。
インフルエンザ騒ぎに巻き込まれて使用した抗生物質のせいか、期待された種牡馬生活の初年は産駒ゼロでシンジケートも解散。しかしこの馬を愛してやまなかった馬主の故北野
豊吉氏はメジロ牧場に引き取って細々と自己所有の牝馬たちにアサマの種付けを試み続けました。こうして生まれた全部で１９頭（うち牡馬８頭）からアサマの血はつながりメジロマックイーンから三冠馬オルフェーブルと名馬の血統表に堂々とアサマの名が記されているのは奇蹟的なことだと思っているのです。