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2014/08/23 21:16
サンエイサンキューの話
明日は札幌記念、巷ではゴールドシップとハープスターの凱旋門賞への始動戦として注目が集まっています。(私は所用があるので馬券は買いませんが)
過去、札幌記念を制した馬として思い浮かぶのは最強牝馬エアグルーヴ、あっと驚く3角マクリで古馬を撃破した2冠馬セイウンスカイ、ブエナビスタを倒したヤマニンキングリー、泥田のような函館で大圧勝したトウケイへイローなどですが、私は22年前、1992年の勝ち馬のことを真っ先に思い浮かべます。
その馬の名前はサンエイサンキュー、デビューして1年ちょっとで17戦もして、92年暮れの有馬記念で故障、懸命の治療の甲斐なく天に召されていった芦毛の牝馬です。
私(46歳)と同年代か上の競馬ファンの方々なら、常軌を逸した苛酷なローテーションや主戦騎手の一人だった田原成貴氏と一部マスコミとの間で起こった「サンエイサンキュー事件」、自らが経営する会社の資金繰りのためにサンエイサンキューを休みなく走らせ続けたオーナーへの非難の嵐などを覚えていらっしゃる方もたくさんおられるでしょう。
サンエイサンキューは小柄な馬でした。
血統も地味でした。
しかし、いつも一生懸命走る馬でした。
この年のオークスではあと50mのところまで先頭を走っていました。
しかし、最後はアドラーブルの末脚に屈して2着でした。
当時は秋華賞はなく、エリザベス女王杯が牝馬クラシックの最終レースでした。
当時はトライアルが2レースありました。
サファイヤS(阪神2000m)とローズS(京都2000m)です。サンエイサンキューはどちらのレースも出走しました。賞金は十分足りているにもかかわらず。
サファイヤSは勝ったものの、ローズS、エリザベス女王杯は惜しくも敗れました。
サンエイサンキューの脚元はその時にはもう悲鳴をあげていました。
でもオーナーは有馬記念に出走させました。
田原成貴氏は自らサンエイサンキューから降りました。これ以上走らせたら故障することが分かっていたからです。
そして迎えた有馬記念、「なんとか無事に回ってきてほしい」とのファンの願いも虚しく、サンエイサンキューの脚は折れてしまいました。
トウ骨骨折、致命傷でした....
あれから22年経ちました。
故障馬の治療技術は格段に進歩しました。
1年ちょっとで17戦なんていう無理使いを強いた 馬主も調教師も厩務員も競馬界を去りました。
少なくとも中央では、無理使いを強いる馬主は見かけなくなりました。
しかし、「馬は経済動物」という基本概念は変わらずに残っています。
競馬は大金が動くギャンブルである、ということも変わりありません。
馬は誰のために走るのでしょうか?
なぜ人間の欲望のために数多くの馬が死んでしまったのでしょうか?
この問いかけにちゃんとした答えが出るまでに、あとどれだけの馬が命を散らせばいいのでしょうか?
答えはおそらく永久に出ないでしょう。
答えは出なくても、また明日も馬は走ります。
みんな無事で回ってきてほしい。
でも、その願いが叶うかどうかは、誰にもわからないのです。
サンエイサンキューの墓は「三栄育成牧場」というところにあります。
しかし、その牧場は閉鎖されてしまったそうです。
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とうけいにせいさん
広瀬北斗さん>こんにちは(^^)コメありがとうございます(^_^)
田原成貴氏との一件では最終的にはサンスポと日刊とのケンカになっちゃって、双方に退職する人が出るほどまでになりましたね。
当時のサンスポのTMは昔でいう馬喰の集団みたいなもんでしたから、モラルなんて求める方がどうかしてる(--;) -
しるこオニオンさん
こんにちは^o^
友達のイッカクさんの日記で触れられていたので、来ました。
僕はこの時期の3歳未勝利戦も観るのが辛いタチですが、どの馬も命を賭けて走っているから逆に目を背けることができないし、馬の命を軽んじるような人にはとても腹が立ちます。
サンエイサンキューのような使われ方をしている馬は未だにいますし、私たちのようなファンの声は届かないのは辛いですね。
田原騎手については、藤田騎手や四位騎手のような優しい人物がその弟子だったことを考えると、元の田原騎手の人間性はよく伺えると思っています。 -
とうけいにせいさん
岩手星さん>こんにちは(^^)コメありがとうございます(^_^)
たしかにサンエイサンキューには田原成貴がよく似合っていましたね。
田原はカッコいい男でした。
でも、人としてはダメ過ぎます(-_-;) -
しるこオニオンさんがいいね!と言っています。
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広瀬北斗さん
サンケイスポーツの競馬記者はモラルの低い奴が多いですからね。佐藤洋一郎はある人気馬が故障発生・予後不良となったレースの穴馬券を的中させたのですが,その観戦記に「これだから競馬は楽しいですね。ウッシッシッシッ。」と,品性下劣丸出しの文章を記しました。これと水戸の見も相まって,フジサンケイグループは極力排除するようにしています。
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岩手星さん
うん、懐かしいです。
写真騎乗は東さんじゃないですかー(笑)
自分は彼女のコンビは田原さんってイメージあります。
彼はすばらしいジョッキーでした。 -
岩手星さんがいいね!と言っています。
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とうけいにせいさん
REOさん>こんばんは(^^)コメありがとうございます(^_^)
エレーヌはたしか3歳夏までに28戦して、心臓マヒで逝ってしまったんでしたね。
競走馬が家畜であることは間違いありません。
でも、死ぬために生まれてくる物などいないのです。
再来週の月曜にはトウホクビジンが帰ってきます。彼女は走り続けないと生きていけない運命を背負っています。
私たちには無事を願うことしかできません。
トウホクビジンにはサンエイサンキューと同じ結末を辿ってほしくない。
心からそう思います。 -
とうけいにせいさん
みゆパパさん>こんばんは(^^)「いいね!」ありがとうございます(^_^)
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REOさん
人の為に生まれ、人の為に生き、人の為に死んでゆく。だから家畜にお墓はないのだと…。でも動物は死にたいとは思いませんよね。生きる為に生まれてきたのに…サンエイサンキューを思うとやりきれない思いがよみがえります。
ふと、エレーヌを思い出しました。
私たちは彼らを忘れてはならないのだと、改めて思いました。
とうけいにせいさん、日記にして頂いてありがとうございます。きっとサンエイサンキューも嬉しいはずです。