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2012/02/24 02:06

小島太という男

不思議な男だ。

騎手時代を思い出しても「フトシに任せとけば大丈夫」と思ったことは一度もないように思う。

逃げてよしなのか差してよしなのか、今考えても思い出せない。

ただ。

とにかく「ここを勝たないと!」というところをことごとくモノにする。簡単に言えば華のある男。不思議なオーラをまとった男。

調教師に転身してからもサクラの馬が以前ほどの勢いを失うなか、大レースを早々と取り、カフェの馬主の信頼を得る。押さえるところはきっちりと押さえている。大舞台に縁があり、勝負強い。

僕の中では、なぜか、野球の清原とかぶってしまうのだ。

数字だけを見れば、二流ではないが超一流とも言い難い。ただ、代わりの人がいるのかと聞かれれば、間違いなくいない。そんな男だ。

小島太は、境勝太郎なくしては、騎手として大成しなかったであろう。ただのラッキーな男ではない。強固な絆を糧にして大きくなってきた。

絆を知る男、小島太。

彼は、逆風にさらされた1人の騎手に今、力を与えようとしている。騎手時代、晩年に自分が味わった苦しみを味わってほしくない。その一心で。

その男もまた、絆の大切さを知っている。3冠の舞台を駆け抜け、フランスの地で共に悔しさを味わった最強馬にただ一人跨ることを許された男。

絆は紡がれていくもの。紡がれていったその先に、いったいどんな夢が待っているのか、今はまだ知る由もないが、一頭の馬のゲートインを静かに待つとしよう。

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