8件のひとこと日記があります。
2019/08/10 14:43
シャルさんと父アローの想い出〔1〕
先日、40歳を超え、更にサラブレット長寿記録を更新し続けていたシャルロットさん
(競走名:アローハマキヨ)が、オーナーさん初め皆さんに見守られながら、
とうとう旅立ってしまいました。
シャルロットのお父さんは、今はもう知る人も数少なくなってしまっただろう、
アローエクスプレス。
競争時代は、今でいう所のG1にはどうしても手が届きませんでしたが、
種牡馬としては、一時期は中央地方総合でのリーディングサイヤーにもなった馬でした。
今から3年シャルロットに会いに行きましたが、
その時の想いを、父アローエクスプレスも含めて書き物に残していましたので、
今回、シャルさんのご冥福をお祈りするつもりで、何回かに分けて掲載させて頂きます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『アローとハマキヨ』
私には一頭の忘れられない馬がいる。名は、アローエクスプレス。
短距離血統という血の宿命を背負い、脚部不安を抱えながらも、
懸命に走り、敗れていく姿は、当時病床にあった私の脳裏に鮮烈に焼きついた。
2年前の平成26年8月、いつもの通り何気なくスポーツ新聞を眺めていると、
一つの記事が目に留まった。
「シンザン超えたアローハマキヨ」
シンザンの長寿記録35歳3カ月が破られたようだ。
しかし聞いたことのない名前だ。
更に記事を読み進めていくと、父はアローエクスプレスとあるではないか。
もうとっくに絶えていたと思っていたアローの血が繋がっていたのか、
しかも歴史的名馬の記録を破って、サラブレット最長寿馬として。
余生を過ごしている牧場は長野県佐久市らしい。
私が住んでいる山梨県から、約数時間で行ける距離である。
私はすぐにでも飛んでいきたい気持ちで一杯だったが
事情もあり、実際に訪れたのは約2年後の夏となった。
平成28年7月12日、梅雨の合間の蒸し暑さの中、
緩やかに曲がる山道を、車で佐久市から30分程度登っていく。
山間を切り開いた土地に目指すその牧場はあった。
アローハマキヨは37歳。
現在、日本で生きているサラブレットの最長寿と言われている。