エターナルスマイル号、スリリングサンデー号

ライスシャワー号の甥、
エターナルスマイル号。

門別のレースで競走を中止したのが、今から6年前の7月11日。
半年前に、彼の弟エターナルクラウン号を引き取っていた
Oさんがオーナーとなり、3日後には療養の為牧場へと移動しました。

脚を引き摺りながらも…元気に過ごしていたようですが、
ひと月後の8月24日未明、馬房で亡くなっていたそうです。
享年10才。翌朝荼毘に付されましたが…
その日はオルフェーヴル号が凱旋門賞へと向かっている時で、
「スマイル君、オルフェ君の直ぐ側でエールを送ってくれたよね。」と
遠く高い空を見上げながら、想いを馳せていました。

「自分の代わりに、妹リネンハピネスをお願いします。」と
オーナーとなってくれたOさんに負担を掛けないよう
自ら身を引いたような最期に、涙が零れて仕方ありませんでした。
スマイル君に導かれたかのような妹ハピネスちゃんは現在…
Oさんに守られ、兄クラウン君と仲良く暮らしています。


ダイワメジャー号、ダイワスカーレット号の兄、
スリリングサンデー号。

スマイル君が旅立った牧場に、種牡馬として彼も共に暮らしていました。
競走馬を引退後、福島県の乗馬クラブに去勢されずに居た彼は、
全弟ダイワメジャー号の皐月賞制覇により、種牡馬への道を歩む事になりました。
幾つかの種馬場を渡り歩いた後、此処へと辿り着いたけれど…
「何となく栄養状態が良くないようだった」と聞きました。

スマイル君のお参りに行った友人が帰ろうとすると…
「柵の側を付いて来て、いつまでも見送ってくれた姿が忘れられない」と
話してくれた友人から頂いた写真を見る度に、胸が熱くなります。
其の後、詳しいことは分かりませんが、程なくして亡くなったそうです。


エターナルスマイル号、スリリングサンデー号、
共に兄弟の存在により、同じ場所で晩年を過ごし…旅立った2頭。
スリリングサンデー号の産駒ジョイフルサンデー号が、佐賀の地で…
スマイル君の伯父ライスシャワー号と同じくコース上での安楽死となった事、
繋がりのある者達は、きっと何処かで同じ時間を過ごすものだと教えてくれます。

ジョイフルサンデー号が、佐賀の有馬記念「中島記念」の前日に
天に還ってから…もうすぐ一年です。