新馬戦

いよいよ今週から新馬戦が始まる。
土曜の新馬戦の出走馬を一通り確認したが、京都のマイル戦はかなりハイレベルな戦いになりそう。逆に東京の1400戦は、G1の無い距離だけに、あまり素質馬がいるような気配は無い。

新馬は何から勝ち馬を推測するのだろう!?
出走歴が全く無いだけに手を出さないという人もいれば、新馬ほどわかりやすいレースは無いという人もいる。
私はどちらでもないが、各人によりアプローチ法は様々。
血統、調教、パドック、返し馬等、関係者のコメントを重視する人もいるだろう。

私は血統論者でない(昔はハマってたがあまりにも個体差による例外が多いので離れた)ので、必然的に後半の要素で推測することになる。
当日より前に掴める情報の一つが調教。そこには出走に至るまでの膨大な調教時計が詰まっている。
ここで取捨選択が始まるわけだ。

まず調教での穴馬の基本として知っておくべきこと。
それは当週の調教に穴馬は隠れていないということ。
当週の調教というのは、日刊のスポーツ紙でも容易く手に入り、誰でも知り得る情報で、例えその好調教の馬が来たところで大した穴馬にはならない。
真の穴馬は、当週より前の調教に潜んでいる。
そしてもう一つ大事なことは、調教は潜在能力を見るべき場所ということ。
調教はただの練習に過ぎず、決して馬の調子を見ることが優先ではない。
例え数日前の調教が抜群だろうと、馬の調子なんて一日二日で大きく変わることも少なくない。逆に調教が最悪でも、その調教をキッカケにグンと上向くことも多々ある。要は当週調教の調子など当てにはならないということ。
どれだけの時計(能力)で走れる馬なのか。それこそ穴馬探しの焦点になる。

その時計だが、穴馬探しに効果的なのが全体時計。
各専門紙、調教班の評価は、一律上がりに重きを置いているが、それでは真の穴馬は取れない。
最も重要なのは上がりでなく、トップに表示されている全体時計。
特に未勝利や新馬戦では効果を発揮する。
なぜなら、各馬経験の浅い未勝利や新馬では、前へどれだけ行けるかで勝負が決まるからだ。
そして今まで逃げてない馬でも、その全体時計の速さにより、逃げる可能性を見出だすことも出来る。
経験の浅い馬や、気性に問題のある馬は、未勝利や新馬に特に多く、出来れば逃げるにこしたことはない。
そしてそんなクラスでは、差し込める脚を持っていない馬も多く、それだけで勝負が決まってしまうことも少なくない。

そんな中で、テンに行けず上がりだけが速くても、直線に入った時点で万事休すの場合が殆どなのだ。
しかし、各紙の調教評価は、判で押したように上がり重視。
この上がり重視評価には、もうひとつ欠点がある。それは、高額条件になればなるほど顕著になってくるが、
テンが緩ければ、1ハロン,2ハロンくらいなら、どんな馬でも速いスピードで走れてしまうということ。
別に能力があるからとか、調子がいいからじゃなく、その程度の短い距離なら、よほどの馬でない限り走れてしまう。
調子の指標としても、能力の指標としても、根本的に間が抜けているということ。だから各紙各記者とも大穴が滅多に取れないのだ。

新馬戦や未勝利戦でも要注意。人気していても時計の出てない馬は、多くが馬券から消えている。
実際5Fが70秒台の人気馬などは飛ぶのが当たり前の確率だ。
大体常識で考えてみてほしい。
本当に能力のある馬なら、例え馬ナリでも自然と時計が出てしまうのが当たり前。
それが本来のスピードの違いってやつだ。
それが出てない時点で、人気していてもその程度の馬なのだということ。
よって人気を裏切るのも当然の結果なのである。