Northern Dancer系不在の２０年の代償

Galileo産駒自体は、重く調教に負荷をかけると
足元に来てしまう。つまり育成から調教にかけて非常に悩ましく
また日本の堅い芝も足元の負担になり大成しにくいのが難点であった。

Frankel産駒が躍進中だ。
Galileo産駒を日本で走らせるためには米国血統を加味させるのが
日本の固い芝にはむいていると。具体的には
ミスプロのクロスを掛け合わせた馬だった。

でも、実際に走ってみたのはFrankel産駒やNew Approach産駒で
前者は 自身がもつＮＤＭＰＢＰｘＮＤＢＰの≒１ｘ２で後者の
ベストアプローチの血統はＮＤＭＰＢＰｘＭＰＢＰＮＤの≒２ｘ３だった。
まだ海のものとも山のものともいいきれないが、現時点で概ね好評だ。

Gallileo産駒直仔が持っていた重さは解消されGalileoｘデインヒル の
一見、非常に重そうに見える血統構成は近年、日本の血統地図から存在が
希薄になりつつあったNorthern Dancer系の復活だった。

Sadler's Wells 産駒もGallileo産駒も日本では重く大成が難しいので
３代目でも難しいのでは、と、当初はGalileo産駒の種牡馬も見られていたが
なかなかどうして、フサイチコンコルドのようにベールを脱げば
世界最先端にして最強の血統構成となった。

その根幹なのがNorthern DancerｘMr. ProspectorｘBuckpasserと
Northern DancerｘBuckpasserの二度掛けの１ｘ２という、
ごくごく基本的なところが盲点で、ここ２０年来、日本の血統地図の表舞台から
姿を消していた基本的な血統構成であった。

マルゼンスキーやラシアンルーブル、トライマイベストなどが持つ
Northern DancerｘBuckpasserという新しくも懐かしい基本的な構成であった。

また似た構成のカーリアンとマルゼンスキーで大成したブエナビスタのように
今なお　血統の主軸であるはずのNorthern DancerｘBuckpasser。
この血統が自国で紡がれたものではなく再び欧州から輸入しないと
いけないというのが少しばかり残念なところ。
フサイチコンコルドやマルゼンスキー、デインヒル などの血統が
根付かなかったのは残念でならない。

Dubai Millennium もFrankel と似た血統構成なので夭逝したにも関わらず
Dubawi で継続させたところに　欧州の懐の深さを感じざる得ない。

逆に　父系２代目がNorthern Dancerで母父がミスプロｘバックパサーの
種牡馬が日本で出現しなかったのは　サンデーサイレンスの台頭によって
埋没してしまったからなのか？

Frankelの血統を眺めながら、ふと
ノーザンテースト系と母父がミスプロｘバックパサー
そんな血統を頭の中で妄想してしまう
サンデーサイレンスの台頭と失われた２０年の代償なのかもしれない。

シェイクザバーレイが種牡馬入りしたようです。
Frankelと似た血統構成なので　成功してほしいものです。