さよなら国立競技場(俺の夢)

小学生の頃からとにかくボールを蹴るのが好きだった

そしてサッカーが大好きだった

高校生になった時俺は国立競技場の芝を踏むのが夢というより絶対に国立のピッチに立つんだ
と真剣に考えていた

高校二年の新人戦、新チームのキャプテンになった俺はフィールドプレイヤーに別れを告げキーパーに専念することにした

全ては国立のピッチに立つために

小学生の頃から日本代表の旗を振りスタンドを走り回り国立に通った自分

Jリーグが開幕したとき色々な人々がJリーグについて俺に聞いてきた
好きなチームはどこなの？
強いチームはどこなの？
その度に俺は【日本代表だよ】
と答えた

高校日本選手権で国立のピッチに立つのは勿論の事、俺はサッカー日本代表の一員として国立に立つ為にやれる事はなんでもやろうとした

千葉県大会、選手権予選
準々決勝をPK戦で勝ち上がった俺は有頂天になってしまった

今でも後悔する事がある準決勝
なぜあの時、なぜあんな一本の為に

俺の左手は試合中に複雑骨折していた

高校卒業のあと俺は一人で国立に行った

いつも側にいてくれてありがとう
俺の目標でいてくれてありがとう
そう伝えにいった

時代は変わって行く
ついこの間ワールドカップやオリンピックに出ることが目標だった日本代表はいまやインテル、マンチェスターU、ACミラン、ドルトムント、子供の頃食い入るように見ていたダイヤモンドサッカーのチームがズラリと並ぶ

そしていつか国立へなんて夢をもつサッカー少年などいなくなった

そして今日国立競技場はフィナーレを迎えた

しかし俺には感謝の気持ちで一杯だ
高校卒業の時と今同じ気持ちである

俺の人生の中で重要な意味を持つ国立競技場

さようなら、そして本当にありがとう