Like the Moon and the Stars, and the Sun

プラスティックオノバンドのインスタントカルマが好きだった。

ベッラレイアの陰に隠れ、重賞勝ち馬たちに隠れ、他のオープン馬たちに隠れ、裸同然のハンデは誰からも注目されなかった。
でもまるで新しい命を与えられたみたいに、一介の条件馬がありったけの奇跡を起こしてみせた。
厳しい減量から逃げ出した男に代わって、厳しい減量を受け入れた高野を男にした。
カルマは、そこにあった。

勝たれるとおもった。馬券がはずれるとおもった。そんなことは関係なかった。差せ！・・・行け！
たぶん初めてレース見て声が出た。

Well we all shine on!
間違いなく、トーホウシャインは誰よりも輝いていた。

レースは激しい雨だった。だけど家の中に雨は降っていなかった。
なのに、まことに不思議なことに、トーホウシャインを写すテレビの画面はすごく滲んでいた。

俺は忘れんよ。