ヒサトモ４　ここまで来たら

ヒサトモ３で、文・阿部珠樹って見えたから、テイオーの死後ブックから２週連続連載された記事に触れなくちゃならないかなと思います。
テイオーは三度の骨折から不死鳥のごとく奇跡の復活を遂げてくれましたが、ヒサトモからの血の伝承も本当にいつ途絶えても不思議でなかった奇跡に次ぐ奇跡です。

ヒサトモの死後残った二頭のうち牡馬ヒサトマンから血は途絶え、残ったブリューリボン一頭に委ねらます。
ヒサトモ→ブリューリボン　三浦牧場　三浦一義
　　　　「レースで前脚の一報を脱臼して、腱がほとんど切れた状態だったようです。ほとんど３本足みたいでしたね。これで種付けできるのかと子供ながら心配しまた」
父　三浦国義は、農林省の種牡馬で技官をしていてセフト（トキノミノルなど）を担当。ヒサトモにセフトを６回種付け「御料の良血」に何かを感じブリューリボンを手に入れたのではないかと推測
ブリューリボン→イザベル（ブリューリボンの８番目　のちのトップリュウ）
　　　　　　　　元、衆議院議員の田中彰治氏が膨大な資産を投じて田中牧場を創設
息子正八が父が作る牧場の馬を集める
三浦牧場３代目一義
「やはり母方のヒサトモの血だと思います。まだ、出来たばかりの牧場だから、将来生産の柱になる血統馬いわゆる基礎牝馬が欲しかった。」
田中代議士が英国を視察した時エリザベス女王が臨席する晴れ舞台を見て感激を繰り返し妻に「自分の作った馬で英国のダービーを獲る」語って聞かせたという。
トップリュウ→トウカイクイン
　　　　　　　内村正則氏がはじめて買った牝馬中央で６勝を挙げる活躍を見て血統を調べヒサトモとその一族の数奇な運命に惹かれた。
「トウカイクインの一族はすべて自分が持つことにしよう」貴重な血脈の保護を決意した。
トウカイクイーン→トウカイミドリ（　中央で４戦１勝）
　　　　　　　　「ミドリは大けがをして薬殺寸前のところを立ち直った馬なんです。レースで両膝に大けがを負いそれがもとで蹄葉炎を発症して、あと３日様子を見てダメなら薬殺するしかない状態のところを戻ってくれた。授かった命だから、一番いい種牡馬をつけてやろう」そうやって非常に人気の高いブレイヴェストローマンつけた。のちに１９８４年オークス馬トウカイローマンを生んだ。
トウカイミドリ→トウカイナチュラル
　　　　　　　トウカイローマンにシンボリルドルフをつける予定が現役が一年伸び
その代役に妹トウカイナチュラルがつけられたのは有名な話です。
ヒサトモ→ブリューリボン→トップリュウ→トウカイクイン→トウカイミドリ→トウカイナチュラル
この細い細い１本のラインによるバトンリレーで誕生したのがトウカイテイオーです。
引き寄せられるように守り継がれた大切な大切なヒサトモの血。テイオーの存在自体こそ奇跡。いや奇跡という言葉さえ物足らないかもしれない。