33件のひとこと日記があります。
2013/11/07 06:55
エレファントマン
かれこれ25年ほど前になるがエレファント・マンという映画が大ヒットした。
これはビクトリア朝(明治時代)のロンドンで奇形をもって生まれてきた男子が、知的能力では何ら変わりないのにかかわらず、家族はなく仕事にも就けず、見世物小屋のオーナーに自分を見世物にしてくれと申し出てそれこそディグニティーのない生活を甘受したものの、晩年はロンドンホスピタルのトレヴィス院長に受け入れられて短いながらも人間として幸せなひと時を過ごし死に至るというストーリーの恐いもの見たさ半分の感動的な映画だった。
今週の月曜日、Ripper StreetというBBC1のシリーズものでは、このエレファントマンで知られたジョゼフ・メリックがキーパーソンとなるストーリーだった。
メリックは本も読み普通の人以上に知的な人物だったとされる。
このストーリーでは、メリックは汚職でまみれた下町ロンドンの警察署の殺人罪の有力証人になるはずだったが、殺人犯(実は警部補)が警備の巡査が居眠りしたときを狙いメリックの病室に入り込み「貴男の人生は苦しみの連続だった。これ以上苦しむ必要はない」と言いつつ枕をひとつずつとって(メリックは奇形のため横たわって寝ることは窒息死を起こすことになる)「やめろ」と力なく叫ぶエレファンとマンを死に至らせるところがハイライトだった。
歴史的事実に基づく映画の解釈では、メリックはまさに誰もが普通に寝るように自分も寝てみることによって人間の尊厳を証明しつつ自殺したとされている。
月曜日のTVシリーズでは、メリックは奇形と肉体的苦痛と闘いながらも生きる喜びを殺される瞬間まで享受していた人物として描かれていた。
事実の解釈というのは難しい。
名馬がどのように生きてどのように死んだかも解釈による。
ジョゼフ・メリックや名馬の1頭1頭に聞いてみたい気がした。
-
カカアデンカさん
だっしゅさん、マル優さんいいねありがとうございます。マル優さんはコメもほんまおおきに。当時の情報によると監督はあえて白黒にしたそうです。特殊メークもずいぶん進歩して今週のTVシリーズではさらに人間味のあるメリック像が出ていたと思います。とはいえ自分は映画の解釈、自殺説が正しいと思っています。奇形による呼吸器への負担が歳をとるにつれて増幅していたようです。ともあれ注目すべきなのは当時のロンドン病院のトレヴィス院長(トレヴにSをつけただけの名前)がどれほどこの奇形の患者をかばってあげたかということです。この医師はオランダ人のようですが、外国でプレッシャーに負けずよくやったと思います。日本人だったらあっという間に負けていたでしょう。
-
マル優さん
中学生の頃かに観ました。恐いのとメリックの生き方と とても衝撃的で今でも心に残っています。
あの頃は白黒映像で恐いという印象が一番でしたが、今観ると色々考えさせられることも沢山あるでしょうね。 -
マル優さんがいいね!と言っています。
-
だっしゅごーごーさんがいいね!と言っています。