別の視点。若手騎手騎乗停止問題について

　最初にこのニュースに接した時点では、まずルメールＪの騎手免許獲得後
　１カ月間の騎乗停止の記憶が思い出され、主催者運営側も騎手の方々も
　その当時の重さを共有していないのは残念なことと考えました。
　この点は今も変わりありません。
　少なくとも、騎手としての職業を歩ませるための施設では、これまで騎手や
　関係者が起こした各種数々の事件や事故、インシデント等をケーススタディ
　として刻むような授業時間があってしかるべきと考えます。

　制裁などみれば、この背景に
　《ジョッキールームでの会話が許されているので、騎手同士の会話や連絡は
　　きっとＯＫだろう
　　女性騎手の居室(調整ルーム)へ近付くのは問題だから電話で…
　　今村騎手は結構馬を知っているし、明日のレースの参考になる話でも
　　聞ければ嬉しい》
　など若手騎手らが狭域的解釈をしてのことなのだろうと想像しています。
　だから『ルールの解釈が誤っており…』というＪＲＡサイドの報告とも。
　もし外部へ連絡をしていたら、間違いなく免許取り上げ事案だった筈です。


　その上で、時間の経過とともに流れてきた当ニュースの事後記事を読むに
　つれ、もうひとつ別の視点での対応が迫られていることに気が付きました。

　それは、ＳＮＳや外部交信を遮断した上で、騎手たちが関係する各馬の
　これまでのレース内容や情報を動画で確認出来るサイトや、当日/前日の
　騎乗レースの振り返りを動画で確認出来るようなサイト(あるいはそのよう
　なＤＢ等)への限定アクセス可能な機器や設備を調整ルーム内の各控え室に
　用意することの早期の希求性です。個々で行えるようになれば、連絡など
　取り合う必要を無くすことが出来たのではないかということ。

　もう大昔のことですが私も試験勉強などは前日に、場合によっては０時を
　越えてから必死になった記憶があります。
　騎手たち、特に新人さんの内は、日常では所属厩務としての作業もあるで
　しょうし、自身のトレーニングやスキルアップに掛ける時間もたっぷりと
　必要でしょうから、レース前日になって遮断されてからの時間に、初めて
　翌日騎乗のレースの予習を始めることも多いのかなと。

　経験を重ねていく中で多くの馬の癖が理解出来たり、各競馬場の各コース
　各距離条件のレースについても慣れてくればそれなりに抽斗が増えてくる
　でしょうが、いきなり渡された読みなれてもいない競馬新聞だけ与えられ、
　読みこなしたり、騎乗馬以外の有力馬の状況は中々入ってこないことは
　まぁ予想できますよね。

　親子、兄弟であっても騎手同士でレースの事前打ち合わせをしたという
　ケースは論外ですが、必要性の高いとも思えないただ広告代理店に利益を
　廻すための無駄な予算を使うより、レースの質を高めつつ、スマートフォン
　の居室内持ち込みを禁じるため、上に書かせて頂いたような、騎手たちの
　情報収集のための設備や機器を調整ルーム内に早めに導入していくことが
　大切だと感じています。

　同世代の経験する他の職業より相対的に恵まれているとはいえ、
　デビュー２〜３カ月のまだ騎乗数も獲得賞金も少ない新人騎手らにとり
　１カ月分の手当がもらえないのは結構きつそうですが、それでも今回の
　件は「競馬の公正性確保」の重要性を重さをしっかりと理解してもらう
　ための糧となってくれればと感じています。
　＊もちろん３年目の騎手さんたちはきっと長期にわたり継続していた中で
　　の発覚でしょうし、後輩が真似したという責任まで含め、今回の件を
　　更に重く受け止めて頂きたいです。

　騎乗数が少なかった騎手もいるとは云え急遽の騎乗停止ですから、反対に
　来週以降騎乗機会が増える方も居られると思いますが、せっかく転がり
　込んで来たチャンスと捉え、是非結果を出していって頂きたいですね。


　今週の出資馬君の出走は、好調な出資馬君たちの中で今年すこし残念な
　ケースが続いている２頭。
　ベッラノーヴァ君(♀)5/6 東京12Ｒ(発走16:25)と、
　レゾンドゥスリール君5/6 京都12Ｒ(発走16:10)。
　いずれも同日の12Ｒなのでどちらかはじっくり見てあげられないかも。
　師匠の体調を見ながらですが、脚元の不安が少なければ府中へ行こうかと。
　もし行けてもゆっくりのスタートになりそうですが…。
　ベッラは連対や勝利まで含めそこそこのレースしてくれると考えています。
　レゾンはパドックを好く確認してからの方が無難かも。
　どちらも頑張って下さいね。