斜め上から眺めるＪＣ　vol.1

　ＪＣと書いて、私にはJapan Cup としか読めないですが、世の中の
　何％かの方は「女子中学生」と脳内変換されるのかも知れないですね。
　見方・眺め方を替えれば、少し違った風景が見えてくることもあります。
　ゆるくそのような感覚でお読み頂けたらと…。

　◇設計変更と制度変更と賞金額の変更
　このところＪＣの変更が何度か重ねられています。
　今年、来年で云えば賞金額変更。
　(とりあえず複合的要素の褒賞金は除いてお考え下さい)

　つい何年か前まで２億円だったのが２億５千万円になり2012年には
　３億円に。そして今年は４億円、来年は…。
　円安の影響で、海外の競馬関係者の目にはそこまで大きなこととは
　映っていないのかも知れませんが、それでもＪＣはダービー２回分、
　(あっダービーも来年３憶円に上がりますね)と、一部分だけが突出
　しているように感じられます。

　もうほとんどガラパゴスJapanのジャパンのためのＪＣとなりつつ
　ある中での変革。
　東京競馬場の中に新設された国際厩舎と、小ぶりながらこちらも
　新設された調教トラック。この流れの中で、明日(11/27)のＪＣが
　人気上位の日本馬での１・２・３で納まる気配はまるでして来ません。
　「でも、ここ十年間、外国調教馬まったく連対していないしぃ…」
　そのような声が聞こえてきそうですが、勝ち組は人に遅れて移動を
　開始するのではなく、リスクを最小限に抑えながらも、人より先に
　ブルーシーを見付けるものです。

　コロナ禍での外国馬の招致。東京オリンピックと兼ねた中ででも、
　ＪＲＡ職員や関係者の苦労はしっかりと感じられますよね。
　昨年のＪＣで引退を決めていたグランドグローリー号は何故引退を
　撤回したのでしょうね？　今年のＪＣへの招致と何らかの条件とを
　提示されたなどと考えるのはミステリー小説にも似ていますか？

　そのグランドグローリー号は、３走前プリンスオブウェールズ賞で
　シャフリヤール号をマークししっかり先着。そのシャフリヤール号は
　なぜドバイシーマクラシック優勝の後、日本へは戻らずに、英国へ
　向かったのでしょう？　ＪＲＡさんの相互発売競走でもないのに。
　いいですか、もう一度書きますよ。《シャフリヤール号をマークし》
　後ろからきっちり頭差先着しています。

　前走凱旋門賞では最後方待機からドウデュース号、ディープボンド号、
　タイトルホルダー号、ステイフーリッシュ号を退け５着入線。
　馬場が重かったからですか？ グランド視点でもう一度凱旋門賞を
　見直されることをお勧めします。その上で昨年のＪＣも。
　ＪＣは55kgのシャフリヤール号(３着)とコンマ５秒差での５着。
　上がり３Ｆラップは全体の２位タイ。(実際は単独２位に近い)
　ですが、もしもっとスムースに進路が取れていたら…。
　今年はコントレイル号も２着のオーソリティ号も出ていません。
　今年３番人気のシャフリヤール号は斤量2kg増の57kgですよね。
　引き替えグランドグローリー号は55kgの同斤のまま。
　掲示板か少なくとも６着以内には来るように思いませんか？

　続いてオネスト号３歳牡。
　今回のＪＣ出走馬の中でシャフリヤール号とオネスト号だけは、
　更に大きな特典が付与されます。
　指定ＧＩドバイシーマを勝ったシャフリには優勝時に200万ドル
　(２着40万ドル、３着25万ドル、４着以下10万ドルが自動的付与)、
　同じく指定ＧＩパリ大賞典を勝った外国馬オネスト号には優勝時
　300万ドル(２着120万ドル、３着75万ドル、４着以下20万ドル)
　が付与され、優勝時の賞金と合わせ８億円を越えるBig Money を
　手に入れられることになっています。

　この金額の大きさだけはしっかりと把握してから予想された方が
　好いのだろうと思います。
　そのオネスト号の前走も凱旋門賞。
　オネスト号は好発からゆっくりと位置を下げ、ステイを視界に入れ
　ながら内埒沿いを淡々と追走。フォルスストレート入り口では
　後方４番手に下がるも、埒が途切れたところを踏ん張って10着。
　さすがにＧ前には緩んで伸びなかった感じですが、10着というのは
　すべての日本馬よりは上位に来たということ。
　先頭を引っ張ったタイトルホルダー号(11着)には４馬身先着。


　　＊vol.2 へ続きます