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2022/03/07 12:54

衝撃の余波は今も(3/6弥生賞)

もう高いグレードレースの勝ち馬はその産駒一色に塗り上げた時代を築いた超名サイアーにして、自身3冠馬であり生涯成績14戦12勝のサラブレット。名前を言うのも野暮ですわな、その全戦の背中を担った武豊が名付けた「英雄」ことディープインパクト。凱旋門賞はなんかあれな感じなんでナシにして、実質負けたのはハーツクライに届かなかった2005年の有馬記念のみ。で、負けたそれは別として、12勝の内、1馬身以上つけた快勝・完勝・圧勝はなんと11戦。んでね。じゃあ唯一ハラハラドキドキの辛勝になったそのレースとは....もうわかってますよね?それこそが、報知杯...だったところに自らの名が上書きされた弥生賞。武豊横山典弘の凌ぎあいってだけで今でもゾクゾクします。ゲート入り前からブンブン首ふりまくって気合の固まりだったディープインパクトアドマイヤジャパン。もうここに(故)後藤Jがいたと言うだけでだけジーンともきたりしちゃいますが、2歳王で超早咲きだったマイネルレコルトが割って入った1戦。雪の残る重いターフで想定通りに前を行くレコルトを睨みながらの道中を行くジャパン。そして、自らの力を信じてじっくり「飛ぶタイミングを」はかりつつ中段に潜むディープ。3頭それぞれ得意な角度からの戦略がぶつかり合い、速くなりがちな中山のコースにジワっとしたペースを呼んだこのレース。そう、観てる全員がわかってましたよね。もちろんこの千両役者の出演舞台のクライマックスは常に直線にあり。思いのほか早くにまくってった武ディープ。最内からそこに息を併せて追い出したノリさんジャパン。後1つ力が足りなかったが、絶妙に粘った今は亡き後藤Jとレコルト。最後はディープとジャパンの叩き合いになりクビの分差し込んで勝ち切った英雄。その後もほぼ常態化していた劇場型の圧巻な勝ちっぷりではなく、逆に最も際どかった弥生賞にその名前がついたのが、実にカッコよく響いて俺は好きです。

さあ、その父の名がついた2022年の皐月賞トライアルに、クラシックの最終チケットを求めて挑むディープインパクト産駒は出走11頭中、なんとこの子1頭。俺の指名馬にして、それこそ今年のPOG成績の行方を握るエースそのものアスクビクターモア。能力も勝負根性もあるが、気合が勝ち過ぎて掛り癖があり、ここまで4戦して2勝。平場で2つ目の星は得たものの、大舞台に上るにはもう一段必要とここまで負けてない中山の重賞にエントリー。相手は2歳チャンプを筆頭に、重賞勝ち馬、G1で馬券内だった馬とゴツゴツ極まりない骨っぽさで3番人気に入ったのはむしろ大したもの。そう、この人気はたった1頭のディープインパクト産駒と言う期待に後押しされたものであり、それは17年前に同じレースを走った父と同じ8枠10番のゲートに収まることになった時点でさらに押し上げられたもの。そんなのはただの偶然の産物...こんなわかりやすいサインが、勝敗を左右するなら何の苦労もない。過剰な浪漫に乗っかるもの、現実として、むしろそれを嫌うもの、様々な主張が行きかう中、クラシックのトライアルレースは発走となった。

3/6中山11R弥生賞ディープインパクト記念、芝2000m。前走に続き田辺Jをヤネにスパンと小気味いいスタートを切ったアスクビクターモアは、また今日も気合むき出しのまま前に前に出ようとする。外目を一気に押し上げたそこでグッと引かれて2番手をキープ。見るからに掛かってるが、レースペースも穏やかなので、息が入るかは微妙なところ。道中から3コーナーに入ったところで早くも鞍上が勝負に出る。外からまくってきた相手に譲らず、自らが前に出てハナを捕まえながら最終角を回し、直線は粘り込む態勢へ。中山の坂を本命のハーツクライ産駒武豊を背にG1をもぎ取った末脚で迫ってくる。だが、譲らない、並ばせない...気合の炎はゴールにたどり着くまで消えず、最後はクビ差振り切って、出走馬唯一の息子が、着差まで父と同じ軌跡を描きながら、安っぽい物語を現実にした。

田辺J談「隊列が決まるのが早くスローになりそうで、掛かるけど、後ろにいるのはやだったのでポジションを取りに行った。道中掛りながらも遅い流れで脚をためられ、手応えよく直線に向けた。強い馬が迫ってくる気配は感じたが、ゴールまでしのげそうだと思った」

切れ味の権化だった偉大な父親とは違う、前で唸り続ける武器で本番に向かおう。
春の舞台に招待してくれてありがとう。皐月賞が楽しみです。

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