続く祈り・・・

２０年前のあの日、当時１９歳の僕は、北九州市のとある予備校で
浪人生活中。地元を離れ１年間、九州全土から集まった奴らと下宿していた。
今では考えられないが、凄い厳しい校風がウリで（それで集まったようなものだが）
携帯など普及してない時代。TVも無い、ラジオも無い、休みは月イチ。完全なる
浦島太郎状態・・・。だからこの年、９４年の４月から９５年２月まで、世間で何が
起きてるのか全くわからないまま。セナが死んだことも、たけしさんがバイクで事故
ったことも、イチローが彗星のように現れ２００本安打達成したことも、バッジオが
Ｗ杯決勝でＰＫ外したことも・・・。

この前日。１５・１６日はセンター試験だった。国立合格を条件に一浪させて
もらっていたが、前日の数学で大失敗。「１年間何してたんだ」と絶望のなか
自己採点のために翌日予備校に向かった。小倉駅に着くとコンコースが騒然と・・・。

今まで見たことない映像が飛び込んできた。高速道路は真っ二つ、ビルは崩れ落ち
周りは火の海・・・。１９歳の浦島太郎にもその重大さはすぐに理解できた。
センター失敗で私立に方向変換。第一志望の関西のある私大も震災で被害を受け
博多で代替受験となったが、そんなことはどうでもよかった。

４年後、初の赴任地が神戸となった。初めて三宮に着いた時の風景は今でも鮮明だ。
完全にその姿を取り戻してはいたが、最も被害が大きかったところはまだまだ
仮設住居ばかりで復興途上だった。
２年で九州へ転勤となったのでたった２年の神戸での生活。ただ、２年間この日
１・１７は東遊園地へ行って祈りを捧げた。毎年この日を迎える度、同じニュースを
見ると色んな事を考えてしまう。何もできない無力さを感じながら。


昨年・・・１３年ぶりに神戸を訪れた。自分にとってはいろんな意味で
特別な想いのある街神戸。

このサイトで一番最初にお会いするカタチとなったＹさんに連れて行っていただいた
新長田の鉄人２８号。

直接自分は被災したわけではない。このサイトで仲良くさせていただいてる関西の
方々に比べたら、自分が軽々と語るのもどうかなという想いもありますが・・・。
ただ風化させるのではなく、自分に何ができるのか（それはほんの小さいことなのだろうが）
先日のドラマを見ながらいろいろと考えさせられた・・・。