奇跡への序章・・・

救世主がサヨナラ満塁弾！！　ジュリスベル・グラシアル外野手（３２）が延長１２回にサヨナラ満塁弾を放ち、チームを９連勝に導いた。満塁弾２発を含め、全得点を４本のアーチでたたき出し、西武を粉砕した。チームのサヨナラ満塁弾はダイエー時代の１９９９年９月８日の西武戦（福岡ドーム＝当時）で９回に井口忠仁（後に資仁）が西崎幸広から放って以来、１９年ぶり。首位西武とのゲーム差を５に縮めた。

　奇跡の逆転Ｖを予感せざるを得ない、あまりに劇的すぎる幕切れだった。同点の延長１２回。１死からの２安打と相手ミスなどで１死満塁の好機をつくると、球場をこれ以上ない緊張感が包んだ。打席には、快進撃をけん引するグラシアル。安打でも犠飛でもサヨナラ勝ちとなるその状況で、観客席、ベンチが期待した想像をはるかに超える歓喜の打球が飛んだ。

　２ストライクからの３球目。外角高めに来た見逃せばボール気味の１５０キロ直球を、迷いなく強振した。右方向へ力強く飛び出した打球は、大歓声の中、右翼席に着弾。パでは９年ぶり、チームでは１９年ぶりとなる劇的なサヨナラ満塁弾だ。クールな表情でベースを回った救世主は、三塁ベースを蹴るとヘルメットを放り投げ、本塁でナインにもみくちゃにされ、ようやく白い歯をこぼした。

　「必ず打たなくちゃいけないところで打てて、とてもうれしい。何が何でも１点取って、勝利に貢献しようと考えていた」

　助っ人がそのバットに込めたように「何が何でも」負けられない試合だった。前日２５日までに８連勝を飾ったが、この日星を落とせば西武とは再び７ゲーム差。数字上は限りなくＶが遠のくことは、誰もが理解していた。そんな中、初回に柳田が先制２ラン、２回に今宮が満塁弾を放ち大量６点をリード。工藤政権下で６点差の逆転負けはなく、勝利は濃厚と思われた中で、強力西武打線に７回に４点差を追いつかれると、８回には２点を勝ち越された。

　そのまま負けていればゲーム差が広がるだけでなく、今後のチームの勢いにも影響を及ぼしかねなかった状況で、８回に柳田が起死回生の３０号同点２ランを放ち、救援陣も必死の継投で１２回までしのいだ。そして最後はグラシアルの「劇弾」で白星をもぎとっての９連勝。工藤監督も「すごい試合。何よりも選手たちのおかげ。絶対負けないっていう思いをプレーに出してくれた」と興奮を隠せない。

　快進撃の立役者となっているグラシアルは、１軍にいた５月下旬のプレー中に左手薬指を骨折した。１カ月以上、真面目に取り組んだリハビリ中には、エックス線画像による途中経過の検査で、思うように回復の進展がうかがえないことから、医者に食ってかかったこともある。それほど活躍に飢えていた助っ人が、１７日の昇格後９試合中６試合で複数安打をマークし、チームは９連勝。「最後には、自分たちが一番上の場所にいると信じてやっています」。必ずその頂へチームを導き、真の救世主となる。　



一気の９連勝で最大１１，５差を５ゲーム差まで詰めてきた！！。

この９連勝こそ鷹ファンが待ち望んだ強さだ。

ライオンズの背中がようやく見えてきた。2010年の残り７試合３ゲーム半差を

捲ったあの年以上の奇跡に向けて・・・。

勝負の９月。

ファイターズを競り落とし、全力で獅子を狩れ！！。