連覇への船出

攻め勝つ！　福岡ソフトバンクの工藤公康監督（５４）が２９日、圧倒的な攻撃力を生かした開幕ダッシュに自信を見せた。３０日の開幕に向け、ヤフオクドームで行った練習前の円陣では昨季に続き開幕オーダーを自ら発表。１０位に沈んだオープン戦で盤石とみられた先発投手陣がこぞって不安を露呈する中、近年では最強クラスの２０１８年型打線でオリックスを迎撃し、連続日本一へ勢いをつける。

■円陣でオーダー通達

　中堅付近にできた円陣で、工藤監督が必勝オーダーを読み上げた。日本一の座を奪い返した昨季と同じ儀式。「きゅっと締まるものが自分の中にある。１、２キロ（体重が）やせたんじゃないかなと思うぐらい」。チーム内を包む緊張感と高揚感は一気に高まった。

　「１４３分の１」ではない。「勢いに乗っていくと考えれば大事な一戦」。投手出身の工藤監督は投手陣を中心とした「守」ではなく、オープン戦２０本塁打の超強力打線を前面に押し立てた「打」の野球で開幕ダッシュの道を切り開く。

　「（打線）全員に期待している。みんな打ってほしい。明日の試合で勢いに乗ってもらいたい。ピッチャーが多少打たれても、バッターで取り返すぐらいの、そんなバッティングをしてもらいたい」

　就任４年目にして「攻め勝つ野球」をここまで強調したのは初めてだ。無理もない。宮崎キャンプ前に開幕ローテーションに「５人は決まっている」と明言したにもかかわらず、左肩違和感で和田の調整が遅れ、開幕投手の千賀も右上腕の張りを訴えた。東浜、バンデンハークは２軍戦で大量失点。武田と、和田の代役でローテ入りした中田も最終調整で精彩を欠いた。シーズンを通しては「守り勝つ野球」が基本型となるだけに、異例ともいえる打線への強い期待は、仕上がりに不安を残した先発投手陣へのメッセージでもある。

　一方で、日本一軍団を襲った“異常事態”をカバーできるだけの力が、１８年型の打線にあることも確かだ。昨季に続きクリーンアップは「柳田−内川−デスパイネ」で形成。中軸トリオの破壊力は言わずもがなで、工藤監督は鍵を握る打順に「６番（中村晃）と７番（松田）」を挙げた。就任以来、打線のキーマンに挙げ続けてきた中村晃と、オープン戦でチームトップの１２打点をマークした松田がポイントゲッター役となる打線は、他球団にとって脅威だ。

　柳田から松田まで息の抜けない“５人衆”の前後を固める役者にも事欠かない。打率３割６分８厘、３本塁打でオープン戦を終えた本多が２番を任され、フル代表の侍ジャパンにも選出された上林が８番に入る豪華ラインアップ。工藤監督が言い切った。「打線がね、しっかり調子を上げてきたというところもある。打撃陣をぜひ見ていただきたい」。自慢の強打でライバル球団の投手陣にダメージを与え続けるうちに、自軍先発投手陣の復調を待つ。そして投打がかみ合えば…。Ｖロードの展望は一気に開ける。　


記事は西日本スポーツ様より・・・。



いよいよ連覇へ向けての船出です。


球団創設８０周年のメモリアルイヤー。歓喜の秋まで突っ走れ！！。