たったひとつの燦冠〜’９８宝塚記念サイレンススズカ〜

この年は大学４年生・・・。内定も決まり、フランスＷ杯見てた記憶が鮮明です。
サイレンススズカ。Ｇ１タイトルはこれだけなんですよね。でもこれだけ沢山の
ファンが今でも語り継ぐのは、いかにこの年のスズカのインパクトが強烈だったかを
物語ってると思います。

弥生賞ではゲートに潜ったり、ダービーではガツンとひっかかったり持てる
ポテンシャルを充分に発揮できなかったスズカが、年末の香港からユタカに手綱が
託され、翌年から破竹の４連勝。特に前走の金鯱賞。スズカのベストレースに
挙げる人も多いですよね。本番、グルーヴ・ブライト・ジャスティスといった
Ｇ1ホルダーを差し置いて堂々の１番人気。ユタカがグルーヴに先約のために
鞍上に南井克巳を迎えレースを迎えた。

レースはご存知のとおり・・・。華麗なる逃亡劇。２着ステイゴールド・・・。
この頃は穴馬だったもんなあ（笑）。

秋の毎日王冠。３歳のマル外２騎。エルコンドル・グラスを完全に子供扱い。
この段階で誰があの府中の３コーナー過ぎの悲劇を想像できたことか・・・。

フジテレビ塩原アナは、ファンファーレ後、開口一番こう語った。

「レース前から指名手配を受けました・・・栗毛の静かなる逃亡者に対して
果たして追跡者達の秘策はあるんでしょうか？」・・・と。

サイレンススズカがもし無事だったら・・・競馬シーンも変わっていたかもしれません。

まさに燦然と輝く１冠です。