秋の釣瓶落とし

今宵の半月は
せつない程に 眩しくて 美しかった

子供の頃
影踏みをして 遊んだ事を思いだした

夢中に なって 友達や
弟のかげを 追いかけて

ふと 気づいたら
影が 長く伸びてて

辺りは うっすらと 暗くなり始めてた

どこかの台所から 夕飯のカレーの匂いが してきて

バイバイ
ひとり また ひとり と 手を振って帰る

わずかの間に陽は みるみる傾き出してたから
夕陽を背に 弟と 手を繋いで歩くと
並んで 前を行く ふたつの 長い影

当たり前だけど やっぱり
影も 弟の方が小さかった(笑)

まるで 影に 追い付こうとばかりに
いつしか 早足に なって
弟を 引っ張るようにして家路を急いだっけ

影踏み遊び

もしかしたら ・・・・
今も 誰かの影を 追いかけてるのかもしれないな