幸せの青い鳥

あの日
小雨の降る 砂浜で 拾った 対の 貝殻
お菓子の缶に入れたまま 錆びて しまって開かない

あの日
渡すすべも無いのに 焼いた バレンタイン ケーキ
泣きながら壊して 捨てたっけ

あの時
写真で微笑む 笑顔に 現実を知らされたあの時
毎朝 窓辺に 違う 花を 飾り 祈った

あの頃
些細な事で 喧嘩して 一日千秋の思いで メールを
待った

あの頃
おやすみ が言いたく なくて
夜が明けるのが 待ち遠しくて 一人 詩を書いて
過ごした

あの頃
貴方も 小鳥の ように 甘く詩って くれてたね


今は
そんな事の ひとつひとつを
大事に 拾い集めては 二度と開かない透明の瓶に詰め込んで 眺めて居たい
想い出達が 逃げて いかないように
色褪せて いかないように

幸せの 青い鳥の ように