幸田文の競馬

今日の朝日新聞日曜版、赤のｂｅの書評(？)欄は、馬特集！
宮本輝『優駿』や、最近映画になった『戦火の馬』などが取り上げられてました。
よしよし。

本日、図書館に返してしまいましたが、私が読んでいたのも馬本。
と、言っても幸田文選集の『二番手』という章だけなのだが、愛が濃いね。
何せ本人、馬券をほとんど当てた事が無かったらしい(笑)
先頭にも立てず馬群にも飲み込まれない二番手のいとおしさ。
この人らしい。


競馬に関する文章を探すのが大変難しい幸田さんですが、『動物のぞき』のキリンの章にある雨の日本ダービーは素晴らしかった(JRAのサイトでもちょろっと読めます)

最後尾でえっちらおっちらゴールを切る泥々の馬(まるで昨日の函館のよう)
「こんないじらしく、立派な負けはほめなければうそである。」
と、人の波に揉みくちゃにされながら泣き崩れる心理は、応援馬を持つファンの人には痛いほど理解できるのではないだろうか。



もっとたくさん書いてほしかったなぁ。
「あぁ、わかるわかるっ！そうなのっ！！」
適した言葉を持ち合わせない私には心強い代弁者なのに。