競輪
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2014/09/26 01:53
惜敗の師 二ノ宮師編��
10年ナカヤマフェスタ。エルコンドルパサーと同じ2着だが、11年前の半馬身差は頭差に縮まった。それでも、二ノ宮師の表情は険しかった。「距離にするとほんの少し。だけど限りなく遠いよ、あの差って」フォルスストレートで挟まれたはずのフェスタは、直線で猛然と巻き返した。最後はワークフォースとの一騎打ち。またしても、あと1完歩が届かなかった。
11年前の経験が背中を押してくれた。メトロポリタンS勝ちの直後から、1次登録を行っていた。「オーナーの夢だったし、何よりエルコンドルの経験があった。人も一緒だったし、カイバとか飛行機の手配、現地での調教…。やるべきことは分かっていたから」迷いはない。前回の経験を生かす場でもあった。強い調教ありきではなく、馬に合った調教で挑む。日本にいた時から調教で難しさを出していたフェスタは、フランスでも度々馬場入りを嫌がった。陣営はシャンティイの2つの調教場を使い分け、クロス鼻革を装着するなど、知恵を結集して準備を進めた。だが…。
当日は25度を記録する暑い日だった。午後4時5分の発走までに、想定外のことが起きた。「あの日の馬房って、位置によってはすごく暑いんだよ。フェスタの馬房は日当たりがいいところだったので、レースまでに汗をびっしょりかいてしまった。あれが日陰だったらまた違ったかもしれない。それは、経験しなければ分からなかった」ささいな要素かもしれないが、世界最高峰の戦いにおいてはわずかの差が勝敗を決することは想像に難くない。「日本でレースをやるような気持ちで臨めるほど、慣れないと」2度目の挑戦も、後には苦さが残った。(つづく)
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