コレデオシマイ２（雑賀孫市）

その男こそ我が人生で最高の友２人のうちの１人だった

真の友であり相棒であり義弟だった

あんな凄い男にはもう二度とお目にかかれないと思います

知力 体力 胆力 努力

凡てに於いて自分は何も彼には歯が立たなかったな

更に自分とは決定的に違う部分があった

若さだ

自分が35ぐらいの時に彼は大学生だった

若さというものはなんともなんとも色んな意味で勢いがある

しかも彼は元暴走族の頭だったらしい

和歌山みたいな田舎のショボい族とかじゃなくて大阪の特に血の気が多い地域の族だ

性根の入り方が違った

そこにきて真面目に勉強もして大学生やりながら大阪帝拳でボクサーだったという得体の知れん男だった

それで見た目が随分とオタクで大人しく見えるという掴み所の無い奴だった

この男の欠点が１つだけあった

若干、酒癖が悪いのよね

自分には絶対に逆らう事は無くよく我慢してくれてたけど他の人間には容赦なかった

２人で初めて東京遠征した時は掛け値無しに凄かった

新宿や池袋や韓国人街で暴れて最終的に歌舞伎町のホスト相手に暴れて手がつけれんかった

自分が冗談で｢あいつ いてもたれよ｣と言うとスタスタスタっと歩いて行っていきなり殴る

馬力があるから１人一発殴れば終わり

正直あんな化け物は見た事無かった

何というか猛獣使いみたいな気分ってのはあんな感じを言うのかも知れないな

今の自分ならあんなムチャは絶対にやらさなかったと思うけどまだ少しだけ若さが残ってたのかも

自分がやりたい事我慢して生きてきたからこの子にはやりたいようにやらしてやりたいなとも思ってたよな

いざとなったら自分が彼の代わりに死ねばいいんだしって感じだった

何事にもファンキーな彼だったから仕事でも抜群の能力だった

自分の出来る事は先を見据えて事を進める事と大阪→東京とどんどんステージが大きく変化していくからなんやかんやと大変だったけど負ける訳にいかなかったんよね

儲けはいつの間にか１ヶ月に300万近くにまで一気に増えたがITの世界は移り変わりが激しい

僅か数ヶ月で半分近くまで減ったりするのだ

彼と彼女と自分の３人で考えて本格的に東京に拠点を構える事で状況を安定させる事にした

その本格的な東京進出時にもう１人の最高の友と出逢う事になる

手遅れだったんだけどその時既に自分の心臓は徐々に病んでいってた事を誰も知らなかったのです