おかんは星になった１（花和尚尾智晋）

オカンは鬼塚勝志夫婦の嫌がらせと裏切りにも屈せず一度は心肺停止状態から生き返って心臓の手術も７時間以上頑張って成功した

それが、12月29日だったんだ

大晦日にオカンを見舞いに行ったら｢鬼塚の兄やんは約束守ったやろ？ あの子は変に憎めんし嫁にいびられて可哀想な子なんやからお前が見といたらなアカンで 銀行あがりの月給100万の役立たずのオッサンも兄やんは抱えとんのやからお前が支えたらんと忽ち会社潰れるから東京の人等にお前が頭を下げてちゃんとしたれよ そのうち絶対にええ時来るんやから今は兄やん支えて東京の人等との仲を取り持ったらなアカンで 短気は損気やからな｣

これが、俺とオカンが最期に出来た会話だったよ

実は、この時には鬼塚勝志夫婦は約束なんか一方的に反故してたんだ

俺は、オカンにそれを言えなかった

まあ、心臓の手術は成功したんだから元気になってから言えばいいかと考えてしまったんだ

鬼塚勝志が一方的に送ってきたメールもバカ嫁が嫌がらせに送りまくってきたメールは全て保護してるから後日に全て公表する予定だがオカンは最後の最後まで鬼塚の兄やんを信じてたよな

しかし、鬼塚勝志夫婦はバカだわ

何年も信頼関係のみで敢えて書類もいれずに俺は鬼塚勝志との約束通りに事を運んできた

最初に組む時は儲けは折半でしかやらんと言ってあったのだがシノギが上手い事いく度になんやかんや理由をつけてきて折半なんかなかったな

酷い時なんか500万シノいで俺が貰ったのは細切れに60万か70万だった

それでも、オカンはいつも我慢したれ我慢したれと言い続けてたよ

確かに、俺も鬼塚勝志って男は好きだったし特筆した部分もあるのを認めてたけどあの人の逃げ癖があるのは嫌いだった

戦場なんか絶対に出て来ずに遥か後方から指示だけ出して少しでも戦況不利になると毎回、逃げ腰になってたな

オカンが入院する前から鬼塚勝志って人はこんな感じやでと言ってたのだが兄やんは気が弱いから代わりにお前が前に立ったったらええんやないかと言うばかりだった

オカンは何故、鬼塚の兄やんをあそこまで助けてやれと俺に言ってたんやろか？

今となってはもう解らないけど仏になったオカンが鬼塚勝志夫婦の裏切りを知ってどんな気持ちでいてるのかな？

いずれ書くと思うが鬼塚勝志の裏切りで俺は東京との段取りが滅茶苦茶になった

オカンは天国からどんな気持ちで見ているのかな？