魚のいない池（孫市和尚）

最近、昔の事をよく思い出す

昔は良かったなとかじゃなくて懐かしいんだよ

心臓を手術する前に何度か脳梗塞になってるだろうと医師が言ってたが物忘れがヒドい

毎日毎日、昔の記憶が消えていく中であっても鮮明に覚えてる事がある

大抵は嫌な事ばかりだけど

あの時は本当に幸せだったとか思える記憶が殆ど無いんだ

自分の人生を振り返ってみると常に何かと闘ってきた

今は、闘う相手がいないけど

若い時は常に何か目標を決めて頑張ってた

若かったから諦めずに出来たんだろう

自分も今年で45になるし、おそらく人生の４分の３は生きた事になるはずだ

自分の人生は一体何の為にあったのかと悩んでしまう

今のような状況になっても何にも変わらない自分の周りの環境につくづく悲しくなってくる

どん底も頂点も経験して言える事は普通が一番幸せだけど普通が一番難しいって事だ

俺の人生は普通って言葉が全く当てはまらない人生だった

自分が無意識のうちに普通の選択肢を敢えて選ばなかったのかもしれないけどね

何もかもを失った時は絶対に自分は復活してやると考えて敵は自分の中にあると思いながら毎日、葛藤して自分と睨み合ったが遂に闘志が消えたように感じる

和歌山の色んな人の話に耳を傾けてきたがどうしても納得いかない事があるんだ

和歌山の人は二言目には絶対に言う言葉が２つある

１つ目が

和歌山も東京も一緒だよ

とね

自分は、絶対に納得出来ない

和歌山と東京が一緒な訳がないだろう

２つ目は

成功する人間は何処に住んでても成功するよ

だとさ

じゃあ、例えば釣りの名人がいたとしてその名人に魚が一匹も住んでない池で魚を釣り上げてみろと言っても絶対に釣れないのと違うか？

魚が存在しないんだから釣りようが無いからね

なのに、和歌山の人間は上記の２つの言葉をすぐに口にする

いい加減に聞き飽きたわ

そこに加えて今の自分は釣り道具さえ無い状態だ

頭のおかしなオッサンにネットで嘘を書きまくられてお袋は自殺未遂をするは支え続けた奴には舌を巻かれてモノを言われるはロクな事しか和歌山ではなかったよ

それでも、自分は和歌山であっても頑張れば必ず活路は見いだせると思ってたけど魚の住んでない池ではどうしようもない事に気付いたよ

嫌だ嫌だと言ってもやっぱり生まれ育った和歌山だから和歌山が大好きだ

でも、魚が住んでないんだよ

和歌山は…