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2013/05/13 23:59

高速馬場は日本だけが異質なのか?

前回の続きで高速馬場について。

高速馬場批判について、「世界中で日本だけが異質である」といった批判をする人も珍しくないようです。しかし、これも無根拠な批判と言えるでしょう。

まず、南米競馬は時計が速いことで知られています。芝2000mでは1分55秒台がすでに記録されています。では、日本と南米だけが特別かと言ったら、またそれも違います。

例えば、フランスのロンシャン競馬場も高速馬場で知られています。芝1400mの日本レコードはマグナーテンが東京で記録した1分19秒0ですが、ロンシャンの芝1400m戦では1分18秒台も珍しくなく、あのノーザンテーストも勝っている伝統のフォレ賞では、1990年代にすでに1分18秒台の記録がありますし、2011年には1分18秒10というとんでもない怪時計が出ています。

また、去年サンタアニタ競馬場にトレイルブレイザーが遠征しましたが、前哨戦として出走したアロヨセコマイルは1分31秒95、ブリーダーズカップターフは2分22秒83が勝ち時計となっています。小回りの上に12ハロン戦ではダートコースを横切るというコース形態を考えれば、いずれも驚くべき時計です。

英国ダービーが行われるエプソム競馬場も、直線走路が下り坂になっているため、芝5ハロン戦で53秒台が記録されたこともあります(ただし手動計測)。あのダンシングブレーヴがダービーの最後の1ハロンで10秒台前半を叩き出したことは、半ば伝説化していますね。エプソムのような道中も過酷なコース形態で、最後の最後に1ハロン10秒台で走ることが可能な「超高速走路」を、批判の対象にした日本人はいるのでしょうか?

もちろん、計時をどこから開始するかは国によって異なるので、単純比較はできません。日本は10mほど走ったところからの計時なので、ゲートが開くと同時に計時開始しているところと比較すると1秒強は遅くなります。ただ、それにしても先に挙げたような例は、日本だけが超高速ではないという根拠にはなるでしょう。

馬場を硬くするのは、競走を重ねることで走路が痛み、そうして出来た窪みなどに脚を取られて故障することを防ぐことにもなります。「路盤を柔らかくすれば馬に優しい」というのは、はっきり「嘘八百である」と言えるでしょう。「じゃあコンクリートにすればいいのか」といった極端な反論はお断り。もちろん、走路の保護と馬の安全の兼ね合いは必要で、実はこの辺りはまだ世界的にも試行錯誤を脱していないと言えるのではないでしょうか。

馬がペース配分を理解し、完全に理想的なラップで走破すれば、時計はもっと伸びるはずです。しかし、もちろん馬にペースを理解しろというのは無理な話だし、競馬は「オープンレーン」である上に他馬との駆け引きが入りますから、それができないためにある程度時計が抑えられる面もあります。東京競馬場などはコーナー半径も大きく直線走路も長いため、駆け引き抜きにイーブンペースで走破しやすいコース形態であると考えられます。トーセンジョーダンが記録した猛時計は、それによるものもあるのでしょう。

つーわけで、いろいろウンチク垂れてみましたが、いかがなもんでしょ。それでも、意地でも批判をする人は批判し続けるんだろうけどね。

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    2013/05/27 10:56 ブロック