J2／松本山雅vs岐阜

14日の日曜はJ2第8節が開催。長野では通称「アルウィン」で松本山雅FC対FC岐阜の試合が行われた。

去年からJ2に参戦している山雅。スタジアムをあの緑でゴール裏を一面に染める程、J2屈指の集客を誇るチームでもある。アウェイでは勝利を重ねているもののホームではまだ今季未勝利。「今日こそは」と、テレビを通してもその熱気は伝わってくるものがあった。

対するFC岐阜は現在最下位。その理由には「無得点」を
あげるに他ならない。無失点であればまず負けは無いサッカー。しかし、勝利には得点が絶対条件。リーグ7試合もノーゴールが続いているだけに、まずは「GOAL」をそして勝利をファン、サポーターに届けたい岐阜。しかし、今日の試合も難しい状況に岐阜は立たされる事に。

前半の中盤、山雅の攻撃。左サイドからセンタリング。土地柄、今日も強風が吹き荒れるアルウィン。あげたボールは風に煽られてゴール方向へ。岐阜サポーターが陣取る前のゴールで無情にもボールはそのままゴールネットへ。不運な形で岐阜は山雅に先制を許す。

岐阜はゴールを奪えずに時間は進む。0-1で試合も終盤。岐阜は賭けに出る。本職はDFで長身の新井を不慣れなFWで投入する。長身であるが故にセットプレー等で得点、あるいは前線の起点にし攻撃を活性化させたいという狙いが伺える手段に監督は打って出る。

新井辰也。プロ生活は名古屋から。入団するもトップリーグの壁は高く、なかなか出場機会に恵まれずにFC岐阜へ移籍。しかし、ケガにも見舞われる事も有りプロの「波」に乗れていなかった印象。今回もケガ明けでの復帰戦にもなったこの若き選手が試合を大きく変える事になる。

FWで投入されて絶好のチャンスが。左サイドからのクロスボール。高さに強風が加わっていただけに難しいボール。これを「気持ち」が籠ったかのような打点は高くも巧みなヘディグシュートで新井としてはJ初、チームとしても待望の「GOAL」が決まる。岐阜が同点に追い付き1-1。

1点だけでもチームにとってはヒーローになった新井。しかし、追加点＆逆転ゴールも彼だった。クロスボールのこぼれ玉にGKとも衝突しかねない状況の中、勇気ある飛び込みでゴール。これを守り切った岐阜が今季初勝利を挙げる。

試合が終わればこの時を待っていたとばかりに岐阜サポーターが勝利の宴。「無得点」も長かっただけに喜びも一潮だったのだろう。
やはり新井にはどの選手より多くコールが繰り返されていた。前所属の選手の活躍にはやはり拍手。
FC岐阜にとっても新井にとっても今日の試合は、忘れられない一戦になった事だろうと思う試合だった。