決定◇グランパスvsアーセナル

今年の夏にアジアツアーを敢行する予定の強豪チームは既に日本代表・香川が所属するマンチェスター・Uが発表されているが、アーセナルも正式発表間近となっている様子。中でも特に名古屋サポーターやファンにとって興味深い対戦が「名古屋グランパスvsアーセナル」になるかと思う。この対戦が今年7月に実現する事が決定した模様。


Jリーグ発足当初、「Jリーグのお荷物」とまで言われ結果がとにかく振るわなかった名古屋。しかし、「ストイコビッチ」と「ベンゲル」という世界を知る二人が名古屋グランパスを変える事になる。


ピクシーの愛称で今も尚名古屋だけにとどまらず、日本サッカーファンの間でも親しまれている「ドラガン・ストイコビッチ」。試合中に監督でありながらベンチから革靴でロングシュートを決めるという奇抜なアイディアが示す通り、「観客を楽しませたい」というプロ魂＆優れたテクニックで現役時代にも観客を魅了しスタジアムを湧かせたファンタジスタ。その一方で、勝利に対する熱い情熱と日本サッカーや主審のジャッジに馴染めないのが相まって、J歴代ワーストのレッドカード提示を受けた事は玉にキズだったかもしれない。それでも名古屋にJリーグに多大な功績を残し、今現在も名古屋の監督として日本サッカー界に携わり続けている「ピクシー」を悪く言うサッカーファンは居ないだろうと思う。


そして、もう一人が「アーセン・ベンゲル」。名古屋再建を託されて来日した1995年に監督就任。最初はまだチームが出来上がらずに苦戦するも、中断期間に敢行したフランスキャンプを機に一気にグランパスを上位へ引き上げる。それまで全く精彩を欠いていたストイコビッチもこの時に水を得た魚、正に「妖精＝ピクシー」の如くスタジアムを舞い大活躍を見せ始めたのもベンゲルの手腕によるものだった。

当時はまだ2ステージ制だったJリーグ。前年の2ndステージ最下位だった名古屋が1stステージを4位、2ndテージを2位と大躍進。その年のJリーグMVPは優勝チーム以外から初めて選出されたのが先のストイコビッチ。さらにベンゲルも優勝チーム以外から最優秀監督賞を受賞。そして、年末の天皇杯では初優勝し、名古屋グランパスが初のタイトルを手にしたのもこの時だった。

自分はこの年のグランパスのサッカーを見て以来サッカーに夢中。この二人にはただただ感謝の思いでいっぱになる。


ベンゲル氏は現在アーセナルで監督を務めている今でもグランパスの事は気にかけている様子。そのベンゲルを「理想の監督」と慕っているのもストイコビッチ氏。監督業の勉学にと直接アーセナルを訪れ直々に教わった程の師弟関係。


名古屋グランパスを変えたと言ってもいいこの二人が、監督でそれぞれのチームを率いて対戦。夢のカードが実現する夏が今から楽しみ。