競輪
628件のひとこと日記があります。
2019/09/12 20:16
ランフランコ・デットーリ ２
前回日記の５つのレースを観て来て結論を書くと
デットーリは中伸びバイアスでは先行馬では徐々に内から外へ斜向する事で
後ろから来る馬を妨害しつつ、馬場の良い部分を通るというのをやっている。
差し馬では最後の直線で伸びる中目の馬場を走って来る。
それを踏まえて、
英インターナショナルＳの翌日に行われたヨークシャーオークスのレースを観て頂こう。
その前に前提として踏まえておきたいのは、４頭立てのこのレース、注目すべきは厩舎名。
１番エネイブル、２番ラーティダーは、同じＪゴステン厩舎。
３番マジカル、４番サウスシーパールは、同じＡオブライエン厩舎。（紫色の勝負服チーム）
つまり、２つの有名厩舎によるチーム戦でした。
■2019年 ヨークシャーオークス(G1)
https://keibadb.morelents.com/race/20190822-york-4/
さて、レースＶＴＲを観戦されてどういう点に気付かれただろうか？
�，泙困蓮△笋辰僂蠧發鯣鬚韻徳�ってるので当然だが、逃げたエネイブル鞍上のデットーリは
毎度のように馬場の中目を走った事。
馬場の良い中目を走るのは当然の戦術ではあるが、基本は当然大事。
�⊆，法▲繊璽狎錣任裡家�ラーティダーの動きを理解できた人はいるだろうか？？？
コレが解るならレースでのチーム戦術はどんなに複雑な頭数になっていても
時間をかければパズルを解くように観察する事でレースの実態が理解できると思う。
逆に、解らない場合は、まだレースの本質を知るには足りない部分があるので
あまり固定観念を持たずにレースを観る力を徐々に付けられると良いと思います。
２番ラーティダーは、道中は番手で走り、４角を曲がり終えた地点で勝たせたい
仲間であるエネイブルの右斜め後ろのポジションを取ります。
それと並ぶようにラーティダーの内に敵チームのマジカルが進出。
ここで何故、マジカルはラーティダーの外ではなく内へ並んで行ったかと言えば
外から差し切って勝つには、まずラーティダーを競り落とし、
更にあのエネイブルの豪脚と勝負をしなければいけないという２度も競り合いに
勝たなければいけない可能性が高いから内を選択したわけです。
競り合いはそれだけ馬を消耗させるモノなのです。
（勿論、ラーティダーが直ぐにバテてしまい実質的に１回の競り合いだけで
済む可能性もゼロではないですが）
ラーティダーのポジション取りによって、マジカルはエネイブルを内から差す形になりました。
マジカルは実質的に外から蓋をされたような形です。
そして、内の馬場は中目よりは伸びない馬場。
チームＪゴステンとしては上手く敵を不利な状況へ追いやりました。
見事なコンビネーションプレイです。
レース動画の１分４５秒頃をご覧ください。
デットーリは、自分の股の下を覗き込み後ろの馬の隊列を目視で確かめます。
これによって外は安全。内からの差し馬に注意だと把握は完了です。
中目の馬場のギリギリ良い部分を走れば、必然的に敵には内目の馬場の悪い部分を走らせる事ができる。
そうやって相手の不利な隊列状況をキッチリと活用します。
従って、エネイブルとマジカルが併せ馬になり仕掛けられてからの伸びは
エネイブルの方が１枚上でした。
��そして最後の止めはマジカルの前に出たデットーリはいつもの様に
相手の前を塞ぐように微妙に内へ行きます。
これで相手は一旦外へ出して再び差すという限界まで仕掛けられた状況では無理な要求をされます。
完全に勝負アリです。
� 銑�までをレースを観て直ぐに解るようなら、ＥＵのチーム戦は殆どが理解出来ている人だと思います。
因みに、デットーリが外へ張り出す動きや、敵の馬の前を塞ぐ動きですが、
グレートヴォルティジュールステークスを見ると右鞭をずっと入れているのに
馬は右へと張り出して行ってます。
つまり、ムチの効果で左へ行くよりも、デットーリが指示する右へ行く動きが上回っているからです。
ハミの当て方と体重移動などを駆使した方が、ムチを使う効果よりも高い馬が多いと言えるでしょう。
---つづく---
- エネイブル
- ラーティダー
- マジカル
- サウスシーパール
