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2019/09/03 20:50

馬を御す 4(2019札幌記念)

前回の日記では、馬が真っ直ぐには走れないという話と、
名手であれば(勝負を捨てれば)真っ直ぐ走らせる事も不可能ではない、そういう話でした。

安田記念での最後の直線での武豊の馬の御し方を観れば、
ラストスパートしてる中で真っ直ぐ走らせるには、かなり丁寧な操縦が必要なのも解ります。

ですから、「丁寧な操縦」を参考基準とすると、騎手の上手い下手の判定も出来てしまいます。


・丁寧な操縦をしている時に上手い騎手

・乱暴な操縦を(意図的に)している時に上手い騎手


丁寧の反対には乱暴という言葉を使いました。

丁寧時、乱暴時、両方で上手い騎手が最上級で上手い騎手という扱いで良いでしょう。

JRAの日本人騎手はどちらかと言えば丁寧な操縦で頑張ってるのが多いです。
逆に地方騎手には乱暴な操縦が必要とされる競馬で勝負する世界。

外人は大体が、丁寧も乱暴もどちらでも上手いです。
ですが、Mデムーロは乱暴寄り、Cルメールは丁寧寄り、という特徴はあります。
どちらも上手いけど、多少の片寄りが出るのは各人の好みなんでしょうね。



乱暴な操縦を要求される場面で、馬を御す力が発揮された例として、
今年の札幌記念を使って解説してみましょう。

派手で豪快なレースですし、楽しんで頂けると思います。


※例によってJRA公式サイトのパトロールVTRをご覧になる事をお薦めします。
 画像も添付してはいますが、コレだけでは動きが表現できていません。


勝ち馬のブラストワンピース川田将騎手から見て行きましょう。

川田将騎手は、かなり乱暴な操縦術をこのレースでは要求されていました。
3角では外にサクラの馬が居るせいで、外差しを狙えない状況が続き
それでも3角〜4角の中間地点ではサクラの馬はタレて勝手に下がってくれたと思いきや
前の馬群の形が、まるでブーメランのような翼形になっていて、
外から差す為には、一旦下げて、更に大外を回さないといけない最悪の形でした。

従って、イチかバチかの前の壁をこじ開けるという選択を川田将騎手は採ります。

丁度、戸崎圭騎手の馬が4角を曲がり終えた地点でズルズルと下がり始めたのがラッキーでしたし
川田将騎手も冷静にたった1頭分しか無いスペースに割り込ませる事に成功しました。

結果論ですが、外を回す選択肢が無理筋になった事で距離ロスが無く走れて
騎手の乱暴な局面での技術の高さが活きて優勝するという、劇的な走りになったと思います。

因みに、ブラストは1枠1番で午後からの競馬では最内を走ると不利な馬場バイアスでしたから
川田将騎手はスタートから道中でも終始内を避けようと頑張っていました。
丁寧な操縦という意味でも上手い騎手だと言えます。

 つづく

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