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2019/03/30 02:54
馬を御す 1
御する 【読み:ギョする】
馬や馬車を巧みに扱う。「暴れ馬を―・する」
今回は馬を「御す」事に関する話を書こうと思います。
御すという言葉を私が初めて目にしたのは、子供の頃の絵本で「荷馬車の御者が」という
一節を読んだ時にだと思います。
「荷馬車の業者さん」ではなく「御者」なんですよね。
御するという言葉の意味から、馬車を巧みに扱う操縦士の事。
御者の場合は、競馬でも現存するトロッターレースの技能を必要とするんでしょうね。
では、競馬馬を御すのは誰か?と言えば、
騎手や調教助手や厩務員さんとなります。
馬に騎乗しない厩務員さんも御すのを、最初の話としましょう。
別に馬が大人しくしている時は、馬を巧みに扱う必要は無いので御しているとは
言わないのでしょうけれども、ひとたび馬が暴れたりしたら馬を引いている人の
御す力が問われます。
私は 御する=制御する と同じ意味だと考えていますし
コントロールするに近いニュアンスで良い言葉だと思います。
例えば、馬が入れ込んで立ち上がろうとした場合にも、何事も無かったかのように
手綱を上手く扱って御している厩務員さんもいたりしますよね。
逆に体ごと持って行かれて引き摺られてしまう人もいたりもしますが。
上手く御せる人とそうでない人の違いは、1つは油断していたかどうか。
(でもプロは油断しないし、馬の仕草を見逃さないものですが)
もう1つは、手綱やハミなどで馬をコントロールする技能を持っているかどうか。
こういうスキルは上手い下手が大きいので、暴れる馬には上手い厩務員さんが付くのかも知れないですね。
馬は500キロ近くあるし、あの筋肉量ですから本気で暴れたら人間なんて
ひとたまりもありません。
しかし、馬の急所である口の中にハミを咥えさせているので、ハミを使って
馬の動きをコントロールする事が可能なのです。
https://www.youtube.com/watch?v=E5Q_BvN3mG0
この動画ではかなり激しく入れ込んでしまっている馬が、最初の人が引いた時には
制御できてなかったところに、上手い人(当馬の助手さんでしょうか?)へ交代したら
暴れるんだけど決してコントロールを失わずに御してしまいます。
どんなに体が小さい人でも、老人であっても、手綱やハミの扱いを心得ているなら
上手に扱えてしまうのが馬というもの。
中にはどうしようもない暴れ馬もいますが、制御して扱うというだけなら
巧い人にはなんとか出来ると考えて良いです。
馬を御す方法は、他にもあるでしょう。
舌鼓や口笛、声を掛ける、撫でてやる。などなどを見る事は多いです。
あれも馬をコントロールするコミュニケーションです。
つづく