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2017/09/10 21:20

サートリストラム と ザビール 5 (トーセンダンディ と トーセンスターダム)

過去の豪州へ遠征した日本馬では、父系も母父系もターントゥ系でないのはトーセンダンディのみでした。


トーセンダンディは豪州で長期遠征キャンペーンを張っていたようで
豪州で連続で4戦を走っています。


トーセンダンディの遠征成績

 豪G2(10着) → 豪OP(2着) → 豪G1(11着) → 豪OP(6着)


地方競馬からの叩き上げだった同馬は、伝統のG2オールカマーを勝利しています。
そこまでの実力馬が日本で遠征前に走ったレースではG3を2着としているのに、
豪州ではOP特別すら勝てていません。

これは面白い逆転現象です。
豪州のG2は日本のOP特別程度のレベルと推察されるのに
日本のG2ウイナーが豪州で惨敗するのですから。

真夏の新潟も得意としていた同馬なので、オーストラリアの気候が合わなかった
というのは無いでしょうし、地方から中央への転入馬なので、遠征が駄目だったというのも考え難い。

従って、トーセンダンディにとって豪州の競馬自体が適性とは違ったと考えるのが妥当かもしれないです。


逆に、最近、豪州に完全移籍してしまったトーセンスターダムを見ると
日本ではG3勝ち馬にしか過ぎないトーセンスターダムが、G1で2回連対して3着も1回しています。


移籍後のトーセンスターダムの戦績

 豪G2(4着) → 豪G1(2着) → 豪G2(2着) → 豪G2(5着) → 豪G1(3着)


これがもしJRAのレースだったら、入着賞金を荒稼ぎ出来ていましたね。
(豪州の入着賞金までは私は知らないですが)
勿論、トーセンスターダムの父系はターントゥ系です。

日本では重賞レースに於いて、安定した着順を保てなかった馬が、
豪州では物凄い安定感で走っています。
これは適性が高いレースを連続して走っている馬にだけ起こる現象です。

トーセンスターダムは血統的に見て、日本の芝適性の権化のような存在ですが、
その馬が豪州では更に上の適性を示しました。

(※先に書いたように豪G2=日本OP特別、豪G1=日本G3という私のレベル判断を採用するなら
日本の重賞戦線で不調だった馬が、やや着順のパフォーマンスを上げたという解釈にはなりますが)


サートリストラム系が活躍するのがオセアニア地域の競馬だと解っていれば、
それと同じ祖先を持つ日本馬が活躍しても至極納得できます。


そして、適性のあるなしを量る物差しとして、血統が使えるというのも納得して頂けると思います。
物差しを上手に使って日本から豪州へ遠征した馬達の成績を見た時に、面白いように着順の変化が
納得の行くものに見えてくるでしょう。



ちょっと趣旨はズレますが、適性物差しの実戦をやってみましょう。

実戦サンプルに使うのは、悲運のG1馬アドマイヤラクティです。

アドマイヤラクティの血統は、父ハーツクライ、母父エリシオ、ですから、当時、流行最先端の血統です。

父系はターントゥ系ですから、豪州遠征では「豪G1=日本G3」というレベル差を
そのまま適用すればよいでしょう。

最初に、同馬の日本での実力を見定めます。
新馬は2着で2戦目の未勝利で勝ち上がり。初のOP戦となった若葉Sでは5着。
これらから決してエリートの成績では無い馬だと解ります。

その後は条件戦を10戦使われて安定した成績で古馬4歳の冬にやっと再びOPクラスに
辿り着いた叩き上げタイプの馬です。

初の重賞挑戦では、ローカルG2金鯱賞で3着と上々の結果。
続くAJCCでも3着と崩れず、次走ダイヤモンドS1着で重賞ウイナーとなりました。
更に次走は天皇賞春で初G1挑戦で4着。この4戦が同馬の日本でのピークでした。

以降は、アルゼンチン共和国杯2着→JC4着や、阪神大賞典で2着などがありますが、
安定した成績というより、いぶし銀的な脇役として長距離路線で走った馬でした。

総合的に判断して、

   「重賞を連続で好走する力は無い。しかし、G2で2着する事は出来る馬」

という評価になります。


その評価を豪州遠征でも当て嵌めると同馬の、

    豪G1コーフィールドC(1着) → 豪G1メルボルンC(22着)

この成績も納得が行きますね。

メルボルンカップは、レース中の心臓麻痺でしたから、前走の反動+メルボルンCという
豪のG1としてもまた格別のレースでの負荷が大きかったと私は当時にも解釈しました。

 ※以前から書いていますが細かなG1のレベルはレースの1着賞金額を見れば解ります。


つづく

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