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2014/01/18 22:16

メモ 「太論〜笹田師とのスペシャル対談」より

──“トントン騎乗”ですね。その是非については、『太論』にも度々質問が寄せられます。笹田先生はどう思われますか?

笹田 僕がいい答えを出しましょう。海外を経験するまでのユタカは、両膝を付けて腕だけで追っていたんですよ。でも、海外に行ってから変わった。

小牧 ああ、確かにそうかもしれませんね。

笹田 馬っていうのは、背中に座った状態から前に出そうとしたら、腰をグイッと入れないと前に出ない。その動きが、今の“トントン騎乗”といわれるアクションにつながっていると思うんですよ。だから、理論的には間違っていない。ユタカはその基本形を、アメリカとヨーロッパに行ってマスターしてきた。だから今は、膝を開いてお尻の動きで馬を推進していくという乗り方をしているけど、ユタカの場合はきれいなフォームのままトントン騎乗の利点を採り入れている。見よう見真似でやっているのとは違うんです。祐一あたりは、それをわかっていると思う。

──小牧さんも「僕もたまにやるよ」とおっしゃってましたよね。

笹田 太の騎乗も理論は一緒。それでもJRAの形というか、きれいに乗ってると思う。太は3コーナーあたりでトントンやってるよな。よう見てるやろ?

小牧 おっしゃる通りです。コーナーでお尻を付くと、馬がブレないんですよね。
──馬の背中にお尻を付くことは、馬にとって負担なのではないかという意見もありますが、そのあたりはどう思われますか?

笹田 背中の負担になることはないです。キ甲だと話は別ですけどね。さっきも言ったように、座った状態から馬を推進するためには、お尻で背中を押さなきゃ進まないから、その延長線上の動きでああいった追い方になる。どうしてもアクションが大きくなるけれども、そのアクションを最小限にとどめているのが武豊ということ。

──なるほど。

笹田 昔は、前に体重をかけたほうが馬は走るという考えで、鞍も前のほうに置いていたんです。でも今は逆で、後ろに重心をかけたほうが馬の推進力につながるということで、鞍を後ろに置くようになった。つまり、鞍の置き方から変わってきているわけで、当然、乗り役の重心も変わってきている。

小牧 そうなんですよね。僕が使っていた鞍は昔のままの前鞍だったんですけど、みんなが使っている鞍にやっと変えたんです。ある調教師さんに「置きづらい」って指摘されまして。なるほど、そういう変化もあるんやなと思いましたわ。おそらく、前鞍を使っていたのは、僕だけなんちゃうかな。

笹田 今頃気づいた(笑)?

小牧 そうなんですよ(笑)。最近の僕の変化のひとつです。

笹田 気づくのが遅いねぇ。僕は調教師の試験に受かってすぐ、主流の鞍を作ったよ。調教師では僕が初めてだったと思うんだけど、それがすでに6年前だからね。

小牧 そうですよねぇ。僕が使っていた鞍は、もう売ってないかもしれない(笑)。昔は、馬は前に乗れって教わりましたからね。一歩でも前に前にって。

笹田 今はほとんどが後ろやね。とはいえ、前脚が出ないことには後ろ脚は絶対に動かない。だから、トントン追いになっているわけで。前、後ろ、前、後ろっていう動きでね。

小牧 わかります。みんないろいろ考えてるんですよね。

笹田 なかでもやっぱり、武豊はすごいよ。すごく努力をしている。彼はまず、アメリカのスタイルから入って、その後、ヨーロッパで経験を積んだ。アメリカンスタイルとヨーロピアンスタイルを融合して、そこにさらに日本のスタイルを加えて、彼なりのスタイルを確立したわけだから。

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