競輪
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2012/06/14 14:11
妄想小説
最近は悲しい日記ばかり書いていたので、少し頭を叩いたら、昔書いたこんな妄想小説が見つかりました。
ばかばかしくて読めなくなった方は途中で放棄してください。
〜禁断の恋〜
ステイゴールドは恋していた。お相手はステーブルメートのトゥザヴィクトリー。言わずと知れた良家のお嬢様だ。彼も育ちと血統は一流なのだが成績はいまいち。Ｇ�気両鈩△任呂△辰燭�、育ちのよさが勝負根性に影響し勝ち鞍から遠ざかっていた。
今の状況ではとても愛の告白なんてできそうもない。
だが、そんな彼に絶好のチャンスがめぐってきた。二人っきりの長期海外旅行。行き先はドバイだ。調教師もイキなはからいをしたものだ。
そこで彼は考えた。不安な初めての海外。ここで彼女をやさしくエスコートしてやれば、きっと彼女の気持ちも少しは彼にかたむくに違いない。「ドバイってどこにあるの？ パスポートはどこでとるのかしら。ビザも必要？ 着替えはどれくらい必要かしら…」不安がる彼女に「大丈夫だよ。ボクがついているから。」なんて頼り甲斐のあるところを見せて……ひとり妄想にとりつかれニヤケる彼であった。
旅立ちの時はきた。長い飛行機の旅もこれから何が起こるのかの期待のため、彼にとっては少しも苦痛に感じられなかった。と、それは彼だけの話。彼女はと言うと…長く暗い
検疫後の輸送に心身とも疲れきっていた。
ドバイ到着。アラブ首長国連邦である。人馬ともに全く未知の国。砂漠の王国ではあるが、きらびやかなモスクと超近代的なビルが立ち並ぶ。かなり裕福な国らしい。ただしその風土が日本の人馬に合っているとは言えるかどうか……。「何て暑いところなの。それにお水も食べ物もまずいし。あっ、日焼け止め忘れちゃったわ。」とまどう彼女に「ヴィクトリーちゃん。１ヶ月くらいの辛抱だから我慢しようね。何かあったら何でもボクに相談して！」とちょっといいカッコをするステイであった。
つらくて長い滞在のひと月、とそれは同行した関係者とトゥザヴィクトリーにとってであり、ステイゴールドにとっては何しに来たのか忘れてしまいそうにルンルンなひと月であった。二人は隣同士のお部屋，まわりには知り合いが全くいない。普段厩舎ではあまり話も出来なかったが、たくさん会話を交わした。二人が偶然同じ牧場出身であることも初めて知った。「でもボクの方が２歳も年上だから、君が生まれた頃にはボクはもう走るお稽古で忙しかったんだろうなあ。」ステイゴールドにとってはこのままずっとドバイにいてもいいなあと思わせるくらい幸せな時間をすごした。
と、デレデレしていられてのもそこまで。いよいよレースの日は来た。レースは彼の方が先だ。ドバイシーマクラシックＧ�脅任裡横苅娃娃蹇�日本でも走り慣れている距離だ。鞍上は武豊、ステイにＧ�兇鮠，燭擦討�れた最も頼れるパートナーだ。彼はジョッキーに全幅の信頼を寄せた。彼の指示を忠実に守った。「まだだ。まだだ。我慢。我慢。Ｇｏｏｏ！！！！」彼は一生分の根性とパワーを出し尽くした。「見てくれヴィク、これがオレだ！！」先行馬を鼻差差し切ったところがゴールだった。歓喜にむせぶ日本からの応援ツアーの人々。唖然としている調教師。「ステイのどこにこんな力が……」
彼のどこにこんな力が隠されていたか、それは「神のみぞ知る」であった。
そしてドバイワールドカップＧＩダート２０００ｍ、事実上ダートの世界一決定戦になる。トゥザヴィクトリーはひたむきに走った。４コーナー回るまでは先頭だ。１頭の馬に彼女は抜かれた。しかし彼女は歯を食いしばって頑張りそれ以上の追撃はしりぞけた。結果２着、初めて日本の馬が掲示板に載った。まさに日本の競馬史に残る一瞬であった。
調教師、馬主、応援ツアーの人々、そして深夜の実況を日本で見ていた大勢のファン、すべての競馬関係者たちが２人（？？）の活躍に心より拍手を送った。
「ボクたちの海外遠征がみんなに喜んでもらえて本当によかったね。これを機会にボク達、日本に帰った後も正式に付き合えないかなぁ。先生にはボクから報告するよ。」
「ステイさん。あなたのおかげで無事海外遠征を済ませることができました。でも、お付き合いってまさか男と女として…ってこと？ まさかステイさん、知らないわけじゃないですよね。私たちの父は………」
ガーン！！！！
彼はここしばらくの間、あまりにも舞い上がっていた。そして一番肝心なことを忘れていた。彼の父はサンデーサイレンス、そして彼女の父も…
プラトニックな付き合いなら許されるのか、それともきっぱりあきらめるのか、どうするステイゴールド。牧場の父も頭をかかえて見守るところだ。
〜悩めるステイゴールドの恋のゆくえはいかに〜
- ステイゴールド
- トゥザヴィクトリー
- パスポート
- モスク
- ヴィクトリー
- パワー
- サンデーサイレンス
