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2010/11/08 23:02

迷子のグー【猫鼬の村:前編】

牧場から山をひとつ越えたその先、大きな森の中程に猫鼬の巣はあった。

人間達に追われ、人気の無いこの場所で、彼らはひっそりと暮らしていた。
30匹ほどの猫鼬が棲む森。
彼らはこの森の事を[村]と呼んでいた。

がっしりとした雑種犬が、その巣の入り口のあたりで体を丸め休んでいる。

その犬の横で、猫鼬が奇妙なダンスを踊っていた。

犬はフン!と鼻を鳴らし猫鼬に話しかけた。


「レオルよぉ、さっきからバタバタ五月蝿くて眠れやしねぇんだがよ…」

レオルと呼ばれた精悍な顔つきの猫鼬は、踊るのをやめ、犬にこういった。

レオル
「なぁマイセン、男ってのは常に鍛錬するもんだろ?」

マイセン
「はっ!暑苦しい奴だなおまえは。さっきからクルクル回って頭いかれちまったんじゃねぇのか?」

レオル
「まぁ?ジジィにゃわからんよな( ̄∀ ̄)」

マイセン
「ぬかせや、コワッパが!(`皿´)」

マイセンはそう言うと、怒るでもなく、やれやれという風にそっぽを向いた。

若き猫鼬レオルは、この村のリーダーである。
幾度かの狼達の襲撃や、ハンターとの戦いにおいて、常にこの村を守ってきた。

その体には無数の傷跡が刻まれ、尻尾は根本からごっそりと無くっていた。

レオル
「俺は尻尾がねぇからよ、こうやってバランスとる練習しとかねぇとな」

マイセン
「へーへー…」
マイセンは呆れ顔で、村の少し奥へと歩いていった。

動く度に波打つ筋肉と、
ボロボロの毛皮とが、この老犬もまた数多の戦いを乗り越えてきた事を物語っている。

マイセンはレオルから少し離れた場所に腰をおろすと、大きな鼻息をフン!と鳴らした。

ひとしきり運動を終えると、レオルは村の方を見やった。

レオル
「お?い、ココぉ」

しばらくして、枯れ草の奥から、ココと呼ばれた雌の猫鼬が顔を出す。

ココ
「なに?寝ようと思ってたんだけど?(-_-#)」

ココは枯れ草を抜け出し、不機嫌そうにマイセンの頭に肘をついてもたれかかる。

レオル
「運動したらハラ減った( ̄○ ̄)」

ココ
「あんたねぇ…」

ココが今にも怒り出さんとした時、不意にマイセンが立ち上がった。

ココ
「きゃっ!ちょっとマイセン!(-△-#)」

マイセンは鼻先にしわを寄せ、低いうなり声をあげた。
その視線は遙か先の林に向けられている。

ココ
「!」

レオル
「へっ…来やがったか」

レオルは口許に太い笑みを浮かべ、林の奥に浮かぶ無数に光る眼を睨みつけた。

暗闇の中、木々の間から三頭の狼がレオル達の様子をうかがっている。

レオル
「ココ!村に戻ってミンナに外へ出るなと伝えろ!」

事態を理解し、心配そうにレオル達を見ると、ココは返事もせずに慌てて枯れ草の中に戻った。

マイセン!いつものやつ、いくぞ!」

マイセンは足早にレオルに近づき、ボールでも拾うかの如く、レオルの体を鼻先ですくい上げた。

レオルが背中に乗るや否や、マイセンは狼達に向けて猛然とダッシュした。

マイセン
「振り落とされんなよ!」

二匹は矢のような速さで、闇に向かって走りだした。



猫鼬の森:後編へ

つづく

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  • Mongoose!さん

    >>ちかぽんさん

    了解
    後半パートで第三勢力として登場予定です( ̄∀ ̄)

    待て次号!
    (もっと先…)

    2010/11/11 20:15 ブロック

  • Mongoose!さん

    >>てっちさん

    忙しくて返信遅れごめり

    こっからちょっとハードな展開になります。

    そして、後半パートで奴が登場します( ̄∀ ̄)

    お楽しみに!

    2010/11/11 20:13 ブロック

  • ちかぽんさん

    ちかぽんのポンタスはいつも鼻水出して何でも『ナリ』って付けるよ…で後ろからくっついて歩くナリ
    歩く姿はポテポテって感じでお兄ちゃんのデスカに寄り添ってます
    たまに遊んでくれないとシッポ噛んだりちかぽんの頭の上にアゴ?乗せて来るナリ(o^ω^o)

    2010/11/10 03:35 ブロック

  • てっちさん

    続きが早く読みた?い□□□グースカちゃんはどうなるの□どこでクロスするんでしょう

    2010/11/09 23:11 ブロック