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43件のひとこと日記があります。

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2010/11/25 22:35

迷子のグー 【対決】

過去に猫鼬を襲った犬達。
からくも生き延びたレオル達の目の前に、悪魔が再び姿を現した。

レオルが青ざめ震える様を、大きなため息を吐き、マイセンが窘めた。

マイセン
「レオル、テメェなんだそりゃ?」

レオル
「…!」

セイラム達に身体を向けたまま、背後にいるレオルに向けてマイセンが言い放つ。

マイセン
「笑わせんなよ、ちびってんのか?」

レオルは強ばった表情のまま、押し黙っている。

マイセン
「…」

セイラム
「フヒッ!あまり虐めるんじゃあないよマイセン

セイラムはニヤニヤとレオルを眺め、吐き気を催すようなひきつり笑顔で続ける。

セイラム
「仲間を殺され、兄を殺され、おめおめと生き残った事が恥ずかしいんだろうなあ…フヒッ!可哀相になあ、とっとと死なせてあげるよ。…お前もなあ、マイセン!」

突如三匹が襲いかかる!

マイセンは動かない。
マルとボロは素早くマイセンの両脇に近づいた。

レオル
「!」

マイセンは身動ぎひとつせず、マルとボロの牙を身体にうける。

左の肩口と右太股を噛まれたまま、太い笑みを浮かべ、突進してくるセイラムを見据える。

セイラムに喉元を噛まれた時、マイセンははじめて低い呻き声をあげた。

レオルは気づいていた。

もしマイセンがセイラム達の攻撃をかわしていれば、自分がどうなっていたか。

なぜマイセンが動かなかったのかを。

レオル
「…」

兄が死んだ日、レオルは何もできずに、ただ震えていた。

脳裏に兄、レオの顔が浮かんだ。

レオはいつだって自分を守ってくれた。
仲間を守ってくれた。

レオのようになりたくて、いつも後ろをついてまわった。

そんな大好きな兄が死んでしまった時、レオルは泣きながら誓った。

「兄の代わりは俺が!俺がみんなを守る!」

…思い出した。

涙と共にレオルの目に光が戻る。

レオル
「うおおぉお!!」

雄叫びをあげ、レオルは闇雲に飛び出した。

背後からの雄叫びを聞いた時、マイセンは苦笑した。

何かに気づき、ふと視線を林に移すと、マイセンは前を向いたまま、ニヤリと笑った。

次の瞬間。

そのまま姿勢を低くし、セイラム達を振り払いながら、マイセンはレオルを突き飛ばしその場を離れた。

刹那、褐色の塊がセイラム達を弾き飛ばす。

どーーん!!

激しい衝突音と共に、セイラム達は数メートル先に吹き飛んだ。

マイセン
「かかか…。ありゃ即死じゃねぇか?」
噛み傷から血を流しながらも、さも楽しそうに笑った。

レオルは何が起こったか分からずに、目を白黒させている。

砂煙をあげ、地面を派手に滑り転げた三匹の悪魔は、林の合間の崖に転げ落ち、ピクリとも動かなくなった。

砂塵が消え、視界がクリアになっていく。

マイセンの前にもまた、動かない三匹の動物。

目を回し気絶している、マグとウス。

そして、額に大きなコブを作りながらも、すやすやと寝息をたてて眠るグースカがそこにいた。



つづく

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  • マイセン

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  • ちかぽんさん

    (((o(*゚▽゚*)o)))また続きをお願いね!

    2015/12/14 02:48 ブロック

  • Mongoose!さん

    てっちゃん

    愉快、ハードときて次の展開は…

    悲しみ、です
    (°□°;)

    お楽しみに?

    停滞気味だけど
    (゜∇゜)

    2010/11/30 18:49 ブロック

  • Mongoose!さん

    ちかぽ君!

    それなんてルフィ?
    (°□°;)

    ちょっと停滞ぎみだけど、ポンタスの活躍はまだまだ続くよ!

    停滞気味ダケド
    (゜∇゜)

    2010/11/30 18:46 ブロック

  • てっちさん

    凄い闘いですね?レオル、カッコイイぞ□そしてグースカちゃん、大物だ?

    2010/11/29 19:54 ブロック

  • ちかぽんさん

    …そろそろちかぽんも登場かぃ?腕回して蹴散らすナリ

    2010/11/26 05:17 ブロック