セントウルＳ　予想

　先に私の本命を発表しよう。◎アクティブミノルだ。一見すると無謀にも思えるが、我々の予想を幾度となく越え常に衝撃を与えてくれるこの馬に託すことにした。
　一度目の我々の予想を超えた衝撃は函館2歳Ｓ。連闘で重賞挑戦という誰が見ても無謀なる挑戦。苦戦を強いられる――はずだった。それが結果はどうだろう。他馬に影を踏ませることなく圧倒的な逃げ切り。まさに、相手が違うといった印象だった。
　二度目の衝撃は朝日杯2歳Ｓ。前走敗戦、さらに距離も延長とあって、勝負するのは酷――なはずだった。しかし、最後まで集中を切らすことなく、持ち前の先行力から粘り込みを図り5着と激走。１．２着馬が後方策をとっていたので価値は大あり。
　そして、三度目の衝撃が、何を隠そうこのセントウルＳだ。歴戦の強豪馬が集うこのセントウルＳ。確実に力が一枚劣る――はずだった。しかし、結果はこのメンバーに動じることなく堂々と自分の形を貫き快勝。これが、私の思い描くプランだ。
　安心してください。根拠はありますよ。まず、第一に前走の敗因は処理しておきたい。しかし、この敗因ははっきり言って簡単。(35.0-35.8)とやや前傾のラップ。だが、前に馬が密集する、とんでもなく前に厳しいレースで、道中７番手以内を取った馬が全滅。ただのＮＨＫマイル5着馬であるグランシルクが、あそこまで強い競馬をしたように見えたのがなにより証拠だ。それに、幾分この馬に１６００ｍは長過ぎた。いくら朝日杯で好走しているとはいえ、この馬の血統背景、スピード、スタミナを加味すればベストは１２００ｍ。未だ無敗なのがその証拠だ。特に、この阪神コースはベストマッチで、この馬が好走した競馬場は函館、阪神、中京。洋芝は急坂がある、どちらかというとパワーが求められる競馬場。急坂がありパワーが要求されるこの舞台はピッタリだ。
　第二に、展開面。先行馬が乱立し、いかにもペースが厳しくなりそうだが、一頭一頭噛み砕いてみてみればそこまで激しくなる理由はない。何が何でもというタイプはルチャドルアスールくらいで、後はどちらかというと「行く馬がいるなら控えても良いタイプ」である。そもそも、アクティブミノルもハナにこだわるタイプでは無く、ファルコンＳで番手で競馬が出来ているので問題はない。ハクサンムーンとて、毎度のレースを拝見すれば分かる通り、明確な逃げ馬がいればその馬にハナを譲る。ホウライアキコは短距離戦ではハナを叩くスピードに欠け、サカジロロイヤルに関しては年齢的な衰えか逃げれなくなってきてる。こう見ると、実は前に優しいメンバー構成になっている。先入観で物を判断しないことである。
　第三に、三強の死角。今回人気を形成している、ストレイトガール、ハクサンムーン、ウリウリの三頭だが、それぞれに不安点が存在する。まず、ストレイトガールだが、前走は勝ちきれなかったＧ1戦を勝利。死角はないように見えるが、あくまで前走はマイル戦でのもの、マイル戦とスプリント戦はそのレース質は全く異なる。今回はスプリント戦。マイル戦を勝ったことで評価を上げることはできない。いやいや、今まで短距離戦で結果を出していたストレイトガールに限ってそんな……。それが偏った先入観というものである。歳を重ねるごとにズブくなり、距離適性がシフトするなんてのはよくある話で、ことストレイトガールにおいては高松宮記念で大敗を喫している。正直、危険と見ている。ハクサンムーンはどうだ。こちらは前走、高松宮記念2着と、ちゃんとスプリント戦で結果を出している。しかし、着順だけで判断するのも、これまた先入観というものだ。内容を見てほしい。内容的に言えば、ハクサンムーンにとって最高の馬場、最高の展開を与えれたのにも関わらず、7歳の香港馬に差し切られる体たらくであった。全盛期の力はないとみていい。去年のセントウルＳでも明らかに格下であるリトルゲルダに差し切られる始末で、やはり疑ってかかりたい。ウリウリはどうだ。正直、なかなかよさそうなのだが、不安点が無いわけではない。この馬はもともとマイラーで前走はスプリント戦にも関わらず時計がかかり、マイルをこなせるスタミナが活き恵まれた印象。今回は開幕週の超スピード勝負。さすがに生粋のスプリンター達に後塵を拝してもおかしくはない。
　とにもかくにも、私はこのような大いなる根拠のもとで大まじめにアクティブミノルの大激変を狙っているのだ。