小倉２歳S　予想

　今回、間違いなく主役になるのはシュウジだ。中京２歳Ｓの勝ちっぷりはさることながら、オープン戦を圧勝したコウエイテンマがこのレースで掲示板どまりだったことも考えると、レースレベルも相当高かったことがうかがえる。
　特に重要なのはこの馬のローテーション。１４００ｍ→１６００ｍと連勝し、２歳王者戦あるいはその先のクラシックへ向けたローテを組むと思いきや、ここで１２００ｍ戦へ逆戻り。逆に考えれば、とんでもない自信があるということがうかがえる。行きっぷりの良さ、血統的背景の二点を考えれば確かにスプリントは適性舞台であることは十分に考えられる。
　しかし、シュウジ本命の予想では私の穴党としての血が黙ってはいない。ここは、泣きの○印を取り、シュウジが勝ったらスタンディングオべーションの構えで、馬券的には別の馬で勝負したい。
　さて、こんな大本命馬を打ち崩すことはできるのだろうか。勝てる可能性があるとしたら、逃げ一辺倒の粘り込み、追い込み一辺倒の差し切りといった極端な特化型の一発しか可能性はないだろう。特に、小倉１２００ｍ戦ではこういった特化型が好まれる。二週前、北九州記念で大本命馬ビックアーサーの追撃を楽々しのいだベルカント、去年の小倉２歳Ｓで本命馬二頭を最後の最後で強襲し特大アーチを放ったオーミアリス。やはり、バランス型よりも、ある一点に重きを置いた特化型が好まれるのは確かなようだ。

　さて、逃げ特化型か追い込み特化型かどちらの特化型が正解なのだろうか。私は前者を取る。理由は、シュウジのレースぶりにある。中京の１６００ｍ戦を逃げ勝つようなパワーと底力では、おそらく他の馬の猛追は寄せ付けられないだろう。さらに、例年よりも少なめの１４頭立てなら、逃げ切りも容易と考える。だとしたら、二週前のベルカントのように道中である程度アドバンテージをつけて、直線でシュウジの猛追をしのぎ切るというパターンの方が現実的だ。
　私がこのメンバーの中で一番信頼に置いている逃げ馬は◎サイモンゼーレだ。奇しくもシュウジと同じキンシャサノキセキ産駒。枠的には内のレッドラウダが逃げそうなパターンだが、レッドラウダが逃げ切ったレースの前半３Ｆのタイムが３３．８で、サイモンゼーレが逃げ切ったレースの前半３Ｆが３３．５。数値的に見ればサイモンゼーレの方がテンが速く、逃げれる可能性は高い。さらに、先行力に定評のある幸騎手なので、レッドラウダ騎乗の松若騎手に先輩風を吹かしていただきたい。とはいっても、ペースが速くなるのなら番手でもオッケーだ。
　いくら逃げ特化型といっても強豪馬の猛追をしのぐには直線入ってからの底力は必要不可欠。なんと、このサイモンゼーレという馬、逃げ馬にも関わらずそんな底力も持ち合わせている。前走の未勝利戦は着差も素晴らしいことながら、その内容も目を見張るものがあった。道中は番手の馬にがつがつ来られて、かなり苦しい展開。コーナーで完全にかぶされ、終戦のパターン。しかし、直線入ってからが凄かった。驚異の底力から生まれているであろう粘り越しで後続との差は縮まらない。縮まらないどころか、差は開く一方。結果的には２着馬と０．５秒差、３馬身もの差が開いてしまった。この逃げ特化型でなおかつ底力を持っているサイモンゼーレならば、シュウジの圧倒的な力の前でも屈することはないはずだ。

　逃げ特化型ならばサイモンゼーレだが、追い込み特化型ならば▲オウケンダイヤ。しばし、オウケンマジック産駒ということで注目を集める馬だが、そのレースぶりもド派手。
　新馬戦で、道中最後方から徐々に進出し、上がり３Ｆ３５．５という破格の末脚を繰り出し、簡単に前の馬を差し切るという離れ業を見せた馬。まさに、去年のオーミアリスを彷彿とさせるもので、二年連続ド派手な差し切りが見られそうではある。
　
　△コウエイテンマはシュウジに完敗した馬。ただ、前走のフェニックス賞の圧勝劇には度肝を抜かされた。マイル戦なら確かにシュウジにはかなわないが、１２００ｍ戦なら互角に闘えるのではないかというポテンシャルを見せてくれた。ただ、前走の激走から中２週。反動は十分に注意しなければならない。

　△レッドカーペットは中京の１４００ｍ戦を逃げ切った底力に期待。鞍上ルメールは何といっても心強い。

◎１３サイモンゼーレ
○３シュウジ
▲７オウケンダイヤ
△８コウエイテンマ
△６レッドカーペット