中京記念　予想

　競馬中継を見ていたらとある解説者がこんなことを言っていた。「いやー、中京の直線は長いですねー」。全くその通りだと思う。調べてみると、直線の長さは４１０ｍほどで新潟外回り、東京に次ぐ３位と実は数値上ではそこまで長くない。しかし、起伏の激しい坂が直線の長さを錯覚させるのだろう。とにもかくにも、この中京記念を攻略できる馬の絶対条件は「長い脚を使える馬」ということで間違いなさそうだ。

　この中京記念の出走馬である◎アルバタックスはとんでもなく長い脚を使う。おそらく、出走馬中トップであろう。この私をそこまで言わしめたのは理由がある。前々走の谷ヶ岳Ｓ。このレースでこの馬の真の能力をまざまざと見せつけられた。道中はスムーズとはいかず厳しいレースを強いられ、早くからスパートを要求されることとなったが、そこからが凄かった。直線追いっぱなしにも関わらず、失速するどころかどんどん加速、それも日本一直線が長い新潟外回りでだ。最後こそサトノギャランドとメイショウヤタロウの一瞬のキレに屈したものの、メンバー中一番の長い脚を使ったことは明白だ。
　能力も重賞を勝ち負けできるほどの非凡なものを持っている。５走前の修学院Ｓは走破タイムが１分３２秒６という準オープンとしては破格のものでレース内容も大きなポテンシャルを感じさせるものだった。レースの立ちまわりは上手い方ではないが、高い潜在能力でカバーできる。その次の昇級戦で一番人気に推されたことから、いかに修学院Ｓのレース内容が良かったかは簡単に推測できる。前走大敗しているがそれは１８００ｍが合わなかっただけのこと。マイルと１８００ｍは２００ｍしか変わらないが、ペース的な観点で言えば天と地ほど違う。１８００ｍの実績はここではさほど重要とは言えない。しかも１８００ｍ→マイルの距離短縮するローテは修学院Ｓを完勝したローテで相性が良い。
　気になる８枠だが、これが実に良い。予定通り中京コースの直線の馬場は荒れており、特に内枠は全くと言っていいほど伸びなくなってしまっている。本番では直線が長いことと相まって外差しが面白いように決まるだろう。思い返してみれば、去年のサダムパテックも８枠を引いてからの大外一気。イメージ的には全く同じだ。同じような成績のオリービンやカオスモスが５６ｋｇに対し５４ｋｇというのも条件が良いし、名手武豊を確保できたのも大きい。ここは気持ちいいほどの鮮やかな直線一気を期待する。

　○はメイケイぺガスター。とにかく気性が荒いことでおなじみだが、こちらもポテンシャル的にはとんでもないものを持っている。噛み合いさえすれば重賞を完勝できるほどに。
　それに、左回りのマイル戦は相性が良く、キャピタルＳ３着やＢＳイレブン賞１着といった具合だ。ダートをこなせるこの馬には馬場が荒れたこのコースにはピッタリだろう。
　この馬の長所はなかなかかわされない勝負根性とキレキレの瞬発力。この二つが今回の展開的に存分に発揮されるだろう。まず、なかなかかわされない勝負根性だが、この馬の近走を見る限り変に押さえずにある程度行かせた方が良い方に転がることが明らかになってきたので、おそらくそこまで押さえずに先行すると見る。さらに、瞬発力だがこれはスローペースにならないと発揮できない。今回は外差し馬場ということもあり、騎手心理的にはあまり行きたくない。となればスローは濃厚で瞬発力が発揮されるこの馬にあった展開になる可能性は高い。

　▲オリービンはパワーが求められやすい阪神や中京が得意な馬。阪神コースはアーリントンＣ２着や、ポートアイランドＳ優勝２回、阪急杯３着と挙げればきりがないほどの筋金入りの阪神巧者。中京はあまりイメージが無いが、去年の中京記念をお忘れではなかろうか。１０番人気ながら最後まで集中力を切らさずに５着と好走。今年のメンバーを考えれば去年のパフォーマンスを出せれば馬券内は濃厚。叩き２戦目の臨戦過程で走れることを考えれば去年より走れる可能性も高い。

　△ダローネガは久々に素質馬が軌道に乗ってきた感じ。元々、Ｇ１５着の実績もある強い馬で、近走でもヴァンセンヌやサトノアラジンと言った強豪馬相手に引けを取らないレースをしており、このメンバーならば期待度は高い。
　
　△レッドアリオンは瞬発力戦になれば右に出る馬はいないだろう。上がり３Ｆ、３２秒台の末脚を平気で使えるのがその証拠。ハンデが気になることは確か。

　大穴で△ナリタスーパーワン。現在シンガリ人気だが、そこまで劣勢にあるとは思えない。ダートで走ってきた経験が、この荒れた馬場で報われそうだ。

◎１５アルバタックス
○１３メイケイぺガスター
▲４オリービン
△１０ダローネガ
△１１レッドアリオン
△１４ナリタスーパーワン