マイルＣＳ　2020　予想

今年のマイルＣＳは大きなポイントが三つある。一つは従来の京都1600ｍでは無くて阪神1600ｍでの開催である事。二つ目が大まかに見て３歳馬ＶＳ古馬という構図が成り立っているという事。そして三つ目が展開に依る所が大きいと思われる点がある事。
　

個人的には二つ目と三つ目のポイントが大きなカギになると見ている。

　
単純に3歳馬ＶＳ古馬となるとやはり世代間のレベルの問題が出てくる。しかし今年の3歳世代は牡馬牝馬共に三冠馬が輩出されている。このケースであり得るのが、その世代の馬が弱すぎて三冠馬が出たとされる事だ。確かにその理論が当て嵌まる世代もあるのだが、今年は牝馬路線では桜花賞3着のスマイルカナが京成杯オータムＨで2着好走、オークス2着のウインマリリンが先週のエリ女王杯で4着、牡馬路線ではＮＨＫマイルＣ勝ち馬ラウダシオンが富士Ｓで2着、皐月賞、ダービーで連続2着のサリオスが毎日王冠で古馬を完封した。今年の3歳世代の馬が弱すぎて…という理論は当てはまらないと思う。
　

三つ目のポイントが展開。今回の出走メンバーの特性面を見てもスロー寄りの流れを得意とするタイプと、速い流れを得意とするタイプが綺麗に分かれた感じはある。3歳馬に関しては成長途上で特性面が変わりつつあるケースは多少なりとも考慮しなくてはならないだろうが、古馬に関してはほぼ固まっているので展開の読み次第で選ぶ馬は限られてくるだろう。
　

今回のメンバー構成を見るとレシステンシアが先手を取る可能性は高い。とにかく注目なのは昨年の阪神ＪＦ（阪神1600ｍ）で相当速いラップを刻みつつ逃げ切っている点。桜花賞では重馬場も影響しての2着だが、それでも相当なラップを刻んで消耗戦の中を2着に粘っている。チューリップ賞は緩い流れでタメ逃げのような形で後続に捉えられ、マイルＣも結果的に平均ペースで後続の脚を削ぎ切れずラウダシオンに捕まった。過去の内容からも厳しい流れに持ち込んで最大のパフォーマンスを見せており、今までの内容からも初の古馬との対戦で貯めて逃げるような事は無いだろう。ゲートさえ真面ならハイペースとなる可能性は結構高いように思える。

　
こうなると展開的に向くのがハイペースに対応できる差し馬。この形なら当然◎グランアレグリアに追い風が吹くはず。速い流れになっても後半の脚が削がれないタイプで、特に後半3Ｆのスピード持続力は相当高い馬。2走前の安田記念ではアーモンドアイ以下を完璧に封じての勝利だし、このメンバー構成ならある程度強気に出てもいいだろう。最大の問題は3歳馬との力関係という事になるのだが、これは正直やってみないと分からないところ。すでに示している結果と内容を最大限に考慮してこの馬を本命としたい。
　

対抗は前述の○レシステンシア。ある程度流れる展開を作る立場になると思うが、自分の形で力を出し切っての後はやはり後続馬の出方次第というのもある。特に初の古馬相手の戦いだけに楽観はできないのは事実。ただ今回の古馬の中でも、速い流れになると脚を削がれる傾向のある馬も多い。その辺りに期待を抱いて思い切って対抗評価に。
　

3番手は実績上位の▲インディチャンプを据える。実績最上位と言ってもちょっと一頓挫あってのレースだけに絶対の信頼を置けない点と、どちらかと言えば緩い流れ向きの印象がある点を見て3番手までとしたい。
　

後は3番手扱いとするかどうかで迷ったのが、結局大外枠で少し評価を下げざるを得なかったのが△サリオス。この馬も速い流れを追走しても脚を削がれない傾向にあり、レシステンシアが引っ張るであろう流れは歓迎のクチ。阪神ＦＳの内容からもここは期待できそうな感じだが、やはり大外枠は少し嫌いたい材料だったのでこの評価に。


後は3歳馬の勢いを買いたい△ラウダシオン、安田記念5着は評価できるはずで流れる展開なら浮上の余地十分の△ケイアイノーテックが連下候補。
　

大穴候補は最内枠の★ベステンダンク。今回の面子だと流れる展開のＳＰ持続力勝負なら出番があっても不思議ではない馬。最内枠だし立ち回りが嵌るような事があれば…という警戒はしておきたい。