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2018/05/22 19:53
ダービーを振り返る2 1998年 第65回東京優駿
今週は競馬の祭典日本ダービー。
そこで過去のダービーを振り返る。
今回は1998年の第65回東京優駿(日本ダービー)についての小話をひとつ…。
この年の優勝馬はスペシャルウィーク(武豊)。
2着馬はボールドエンペラー(河内洋)で5馬身差もつける圧勝であったり、武豊の初のダービー制覇であった事で有名なレース。
今回も意外と語られていない事についてひと言…。
実はこのスペシャルウィーク騎乗の武豊騎手、最後の直線走路でムチを落としているのである。
これも現在見ることのできる各所の映像では画質も荒く、中々見えづらいので確認はしにくいだろう(なにせ20年前の映像になるし)。
しかただ1頭だけを狙い続けた映像で、現在のスーパースローのような感じの映像を当時のレース直後に見た事がある。その時に思った。「あっ…あの武豊がムチを落とした…」と。
東京の直線で坂の上り付近で当時のライバルで皐月賞馬のセイウスカイをアッサリと捉えて抜き去ると、残り200mからはあっという間に数馬身の差をつける加速力で独走態勢。現在の武豊なら後続との差を確認して、ロクに追いもしないだろう。それくらいの余裕があるはず。
だが当時の武豊は29歳。過去に何度もダービージョッキーになるチャンスを逃してきた。そのせいか気合も入っていただろうし、勝ちが見えた興奮もあったのだろう。抜群の手応えでライバルを抜き去っても、追うのを止めない。しかも残り100m付近でトドメの右ムチを一発二発…という時に、右手からスルッとムチが抜け落ちる。
ムチを落とした段階で後続に5馬身以上の差はある感じだから大して問題にもならなかった。しかし後続が迫ってきて混戦の叩き合いだったら…どうなったのだろうか。初のダービージョッキーを目の前にしたあの武豊が、手ムチをしてでも追ったのだろうか…。
そのスペシャルウィークは生まれ故郷の牧場で今年4月27日に死亡している。