ファンの不安とファンタジー

人間の好きという感情は、けっこう厄介なところもありまして、他のことへの冷静な判断が出来なくなったりもいたします。
しかしファン心理といたしましては、これが冷静でいられるかっちゅうねん！といったところなんですかな？
今夜も絶大なる(と思われる)人気を誇るステイゴールドを倅が訪ねて参りました。

｢こんにちはー｣
｢ジャーニーか、まぁこっちお入り。どないした？｣
｢いや親父さん、ファンいうのは有難いもんやなぁ。オルフェーヴルのことで、アニキの俺のとこへも励ましやらなんやら、心配してくれるメッセージが来よんねん。なんか嬉しいてなぁ｣
｢そうか？おまえも難儀な弟持ったもんやなぁ｣
｢はぁ？誰が難儀やなんて言うた？俺は兄として誇らしい思うてるよ！弟と言えば、リヤンドファミユやけど、やっぱり三冠馬の弟やから、デヴュー前からえらい注目の的やわ。プレッシャーやろなぁ｣
｢なんや、おまえの弟はそんなに人気か？羨ましいこっちゃ｣
｢はぁ？親父、あんた自分がどんだけ人気者か分かってるんか？それに俺の弟以前にあんたの息子やねんで？｣
｢え？そうなん？最近、訳わからんようになってもて。そんなことより金環食や｣
｢はぁ？｣
｢一大事やぞ！ここ北海道では、たんなる部分食で、太陽が下弦のお月はんみたいらしいねんぞ？｣
｢…そら位置がズレてんねんから、しゃあないやろ」
｢あかんあかん、ええ下弦にしなさい、てか？｣
｢ええかげんにしなさい！｣