節分。

2月3日、節分の日にクラレントが東京新聞杯をあたりまえの様に手にした
その夜、スナックで鬼のお面をつけて、店の女の子に

「鬼は外〜〜！！」
豆を叩きつけられながら、「なんでダイワマッジョーレ切っちゃんたんだろう？ 」「ストローハットが死んじゃったのはユニコーンS でハットじゃなくて、ハルカの子オースミイチバンから馬券組んで、ハットが来て、よけいな事すんなよ！ って言っちゃたからかなぁ？」 とか思いながら 逃げ回り、

お店のママから恵方巻きが配られて、
「今から南南東に向かってみんなでたべまぁ〜す♪」 と号令が発せられ‥‥

メーカーズマークの淡い桜の香りが残る くちの中に恵方巻きは投入出来ず、
「ママ、帰るね。ありがと。」

自分の部屋に灯りをつけて、ゴルトブリッツが死んじゃったのは俺が応援してたから、ストローハットが死んじゃったのも俺が意地はって、根にもって一切馬券に入れなかったから‥‥
そういえば、あのレース、オレ、サイレンススズカ馬券から切っちゃったよな
ぁ‥‥ごめんね。酔いに任せて 涙が止まらない。

朝起きて、昨日の羽織ってたレザーコートのポケットに手を入れると節分の豆がたくさん出てきて、
一つつまんで「ギュスターヴクライ」
言葉にしたら、もう一つ、「トゥザグローリー」
楽しくなってきて‥一つ口に入れる度に、ヒルノダムール、アーネストリー、ルーラーシップ、エーシンリターンズ、ヴァーゴウ、トランセンド、カレンチヤン‥‥‥‥‥‥‥
安藤勝己。

これから次の未来を創造するために競馬場を去っていった、ヒーロー、ヒロイン達のかっこいい走りとか、なんなんだよ！だったりを 思い出しながら豆を口に入れてたらポケットが空っぽになってた。

節分。
競馬の世界じゃはっきりしている節目、大好きな、気持ちもお金もいっばい込めて託した英雄が新しい旅立ちをはじめて、またワクワクさせてくれる若き英傑が現れて、なんか釈然とはしないけど、そんな節目を感じながらやっぱり競馬と一緒にいたいバカな自分で。

淀の坂道を掛かりながら漆黒の馬体を畏怖の気配を振り撒きながら「やっと走れるぜ！ヤッホー〜〜！！」とゴール板まで走り抜けたショウナンマイティ。
「誰だ？！復活とか言っているやつは！ オレはまだやれるじぁなくてこっからなんだよ！覚えとけ！！」と言わんばかりの流星の様な末脚で淀のゴール板を揺らしたトーセンラー。

道程なんか関係無い、少なくともこの二頭の強者と、鞍上を駈る二人に節分はまだ遠いと信じたいな。

ラー、お帰りなさい。やっぱりお前は強い！おめでとう！

マイティ、お帰りなさい。君の強さは十分見せてもらいました、ありがとう！まだまだやれる！がんばれ！