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2015/01/12 23:15
理想の悪役
※『美女と野獣(ディズニー版)』のネタバレを含みます※
昨日、四季さんの美女と野獣を見に行ってきました
ストーリーは知ってますがこういうのは知ってても面白いんですよね
なかでも昨日の私には、ガストンが良くてですね
連れに「ガストンがすばらしい」とそればかり語っておりました
ご存知のかたも多いでしょうが、ガストンは物語の悪役です
ディズニーの悪役ですから、それはもうクソ野郎に描かれています
逞しいというよりは乱暴
大らかというよりはがさつ
頭がいいというよりは狡猾
正義感が強いというよりは狭量
当然ヒロインからは嫌われていますが、町の人間からはすべて逆の印象なのか慕われています
そんなガストン
ヒロイン視点で物語をおう観客からすれば、まったく共感することはありません
心から嫌えます
そこがいい
何よりすばらしいのは、彼が最後にちゃんと死ぬことです
そしてその死にざまもすばらしいのです
殺そうとした相手に情けなく命乞いをし、助けてもらっておいて背後からナイフで刺し、はずみでみずから塔から落ちて死ぬ…
おそろしいほどの卑怯っぷり
なんとかっこよさのかけらもないことか
自業自得もいいところ
死んだのにぜんぜん同情しない
逆に、胸がすっとするくらいです
だから観客はただただ、物語の結末に喜び、主人公たちの明るい未来だけを思って観劇を終了できる
親に虐待されたとか友人に裏切られたとか恋人を殺されたとか、そういう過去のある悪役ではこうはいきません
「あいつ、けっこうかわいそうだったな」とか
「まあ、悪いことしちゃった気持ちもわかるよ」
みたいなことを、ガストンという悪役には微塵も感じないですむのです
悪役はこうでなくては、というのを体現しています
最初から最後まで
みごとなクソ野郎
すばらしい!
ガストン最高!