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2012/07/07 20:22

Memories of Buena Vista (2)

最後の直線、ブエナビスタの身体はもう限界を超えていたのかも知れない。牡馬と馬体を併せての叩き合い、度重なる接触、バランスを崩しながら何度も何度も手前を変え、それでも彼女は必死にゴールを目指した。不屈の闘志をみなぎらせながら。

あの日、先頭でゴールを駆け抜けたのは間違いなくブエナビスタだったんだ…

☆2010年 ジャパンカップ

天皇賞を圧勝したブエナビスタは名実共に日本の現役最強馬として外国馬を迎え撃つ立場。
ただ他にも後に最強世代と言われる3歳牡馬勢 ローズキングダムエイシンフラッシュビクトワールピサ、ペルーサがブエナの前に立ちはだかる。
16番枠からスタートしたブエナビスタは後方5番手を坦々としたペースで進んで行く。鞍上との呼吸もピッタリで既に折り合いもついている。
3コーナーを過ぎる辺りから少しづつポジションを上げ、4コーナーを回る時点では既に前方の視界は大きく開け、先行勢を楽に捉える余裕の手応え。

『勝った!』僕はこの時点で勝利を確信した。恐らくはスミヨン騎手も…
直線に入り武豊騎乗のローズと馬体を併せての激しい叩き合い。先を行くピサを呑み込み一騎打ちになると誰もが思ったその刹那、ピサが外によれる、ブエナとの間に挟まれる形でローズが不利を受けブレーキをかける。体勢を立て直し逃げ粘ろうとするピサに馬体を併せに行くブエナ。
ところが一度は下がりかけたローズが鬼神の如く前を追う。内に斜行するブエナと再び接触、ローズは顔を上げ大きく後退した…

レースはその後、ブエナが先を行くピサをあっさりと交わし先頭でゴール、ローズも再び鬼脚を繰り出しピサを鼻差捉えた。

天皇賞に続く JC 父娘制覇、更に史上初の牝馬による天皇賞、 JC 連覇、G1
6冠。数々の賞賛を浴びながらヴィクトリーランを続けるブエナとスミヨン。歴史的瞬間を見届け大きく沸き返る東京競馬場、しかし掲示板に灯る審議の文字は僕を不安にさせた…

「わたし今日も勝ったよ、ねぇ松じぃ何で怖い顔してるの? 山口さん、どうして誉めてくれないの?」
いつもと違う陣営の雰囲気に、所在なさげに検量室前で引き運動を続けるブエナ…
25分を超える長い長い審議の結果、ブエナ2位降着の裁定は下された。

審議の結果に今更あれこれ言うつもりもない。実力馬同士の力勝負を堪能し、ブエナが偉業を成し遂げたと思われたレースは、過去経験したことがないほど後味の悪いレースとなってしまった。そして武豊陣営と社台との確執も決定的なものとなる。

このレースを境にほぼ1年もの長い間、僕たちはブエナの勝利に酔う機会を失ってしまう…
一度噛み合わなくなった歯車がなかなか元には戻らないかのように…

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  • ウィンナー墜ちてdesireさん

    きんぐかずさん
    こんばんはです当時を思い起こし、させてくれる文章に痺れます 画像・文章に感動ですありがとうメモ・画像もありがとうデス

    2012/07/07 21:07 ブロック

  • ぶんりきさんがいいね!と言っています。

    2012/07/07 21:03 ブロック

  • てんちゃんさん

    きんぐかずさん☆

    こんばんは〜(^-^)v

    私もこのレース程悔しかったレースはなかったです…(T▽T)

    2012/07/07 20:53 ブロック

  • ハル☆ウララさんがいいね!と言っています。

    2012/07/07 20:51 ブロック

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